債券投資 入門

  • 2021年9月19日
  • 2021年9月19日
  • 債券

資産形成に興味はあるものの、株式投資などのハイリスクな金融商品は損しそうで怖いと感じる人も多い事だろう。

そこで株式投資の他にも、債券投資という選択を検討してみてはどうだろうか?

債券は株式よりも遥かにリスクが低く、かつ安定的に利子を受け取れるので、ほぼ金利が0の貯金よりも魅力が高いと言える。

それに、債券市場は株式市場に絶大な影響力を与える為、株式投資をしている人は債券の知識も身に付けておいたほうがよい。

今回の記事では、債券投資の概要から、メリット・デメリットについて解説していく。

債券とは?

債券とは、ある経済主体が他人から資金調達する際に発行する借用書のこと。

要約すると、お金が無い人が、投資家から現金を借り、その際に借用証書を手渡すイメージである。

これにより、お金が無い人は資金を集める事に成功し、その資金を活用して事業を進めるていける。

逆にお金を貸した側の人間は、借用証書を持っているので事前に取り決めた期限になったら、紙を持って現金を返して貰う。

もちろん、ただで貸すだけなら貸し手にとっては何の得も無いので、利子を付けて元本に上乗せして返して貰う。

株式と債券の違い

債券の説明をしたが、これだけ聞くと何だか株式と似ているなぁと感じた人も多いだろう。

お金が無いから株式(債券)を発行し、投資家から現金を受け取り、その資金を活用して事業を拡大していく点は同じだ。

違う点は、返済義務の有無である。

株式の場合、株券を発行して投資家に売りつけても、発行体である企業は必ずしも売却した株式を投資家から買い取る義務はない。

一方で債券は、あくまで借金扱いなので、あらかじめ定めた期限になると必ず投資家に返済しなければならない。

この観点からも、リスクの度合いとしては債券のほうが遥かに安全資産と言える。

債券の種類

債券は大きく分けて、4種類ある。

  • 日本国債:日本政府に資金を貸し付ける
  • 外国債 :外国の政府に資金を貸し付ける(アメリカやユーロ圏など)
  • 社債  :企業に資金を貸し付ける
  • 地方債 :地方公共団体に資金を貸し付ける

社債と地方債に関しては、あまり興味がないので説明は割愛する。

一般的に、私が債券投資をする際は、主に日本国債または米国債だけである。

日本国債には、割引国債・利付国債・個人向け国債の3種類に区分されている。

  • 割引国債:利子相当の金額を予め額面から割り引いて発行される国債で、利子は受け取れないタイプ
  • 利付国債:半年に1回利子が受け取れるタイプ。固定利子型と変動利子型があり、5万円から投資可能
  • 個人向け国債:利付国債と同じタイプだが、最低購入金額が1万円からと買いやすく、初心者向け

どの国債も満期になれば元本が返済されるが、途中で売却して現金化することもできる。

個人向け国債の場合で言うと、発行から1年経過するといつでも国が途中で買い取ってくれる仕組みの為、元本割れする事はない。

とりあえず、迷った場合は個人向け国債を選択すれば良いと思う。

債券の金利は高いと危険?

債券の金利は、発行体の信用に応じて変化するもので、信用度の高い国が発行する国債の金利は低く、信用度の低い企業が発行する社債は金利が高く設定されている。

これは当たり前で、日本が財政破綻する確率はそこまで高くないので、皆は安心して日本国債を購入できる。その為、日本政府としても金利を安く提示しても投資家は買ってくれるだろう。

しかし、南アフリカなどの治安が悪く、財政破綻リスクが高い国が発行した国債は、誰も買いたいとは思えないだろう。

だから、南アフリカ政府としては投資家に魅力を感じてもらえるように高い金利を提示しなければならないのだ。

つまり、金利が高い債券とは、魅力的な投資先という意味ではなく、破綻リスクが高い危険な投資先と言える。

高金利 = 高リスク と覚えておこう。

メリット

1. リスクが低い

株式投資や暗号資産と違って、債券投資は満期が来るまで保有していれば、元本が返済されるので損をすることはない。

もちろん、社債や途上国の国債となれば保証はないのだが、日本や米国の国債であれば間違いなく返済してもらえるだろう。

預金より金利が高く、リスクも極力抑えたい人にとっては、債券投資が最適と言える。

2. リスクヘッジの手段

株式は債券の3倍以上のリスクがあると言われており、逆に言えば債券は株式よりも3倍安全という事になる。

その証拠として、株式市場がクラッシュし株価が暴落する状況下では、債券は価格が上がりやすい傾向である。

株価が暴落すると資金繰りに行き詰った企業は倒産し株価も無価値になるが、国債などの債券は国が財政破綻しない限りは満期日に元本返済が行われるので、安心して買われるだろう。

その為、悲観的な相場においては、必ず返済される上に金利も貰える債券は需要が高まりやすく、債券価格も上昇しやすい。

ちなみに、債券を満期が来るまでに売りたくなった人の為に、いつでも債券が売買可能な債券市場があるのだが、タイミングが良ければ買った価格よりも高く売れる可能性もある。

デメリット

1. 低金利なので儲からない

昔の日本の金利は5%を超えていた事もあり、安全な債券投資でさえ資産を着実に増やす事が出来ていた。

しかし、借金大国という汚名が付けられた今の日本は、非常に低金利な状況が続いており、預金も債券投資も0.1%以下である。

 

これでは元本が多くても大して儲からない。その為、個人的にはリスクを取ってでも株式投資をお勧めしたい。

2021/09/19時点での日本国債金利は年利0.05%なので、100万円投資した場合

100万円 ✕ 0.0005(0.05%) = 500円

このように、100万円投資しても実際に得られる金利は500円である・・・

2. 信用リスク

何度も繰り返し伝えるが、債券は安全投資と言われているが、それは発行体の信用度により大きく異なる。

国が発行する国債であっても、日本が発行する国債と、経済が不安定な発展途上国が発行する国債とでは安全度はまるで違う。

ギリシャやベネズエラなど、過去にハイパーインフレを引き起こし財政破綻した途上国も存在する。

そのようなリスクが高い国が発行する国債ほど、金利が高く設定されている事が多い。

目の前の高金利に惑わされず、その国の財政状況や政治的背景を理解してから投資するようにしよう。

それが面倒だと思うなら、財政破綻リスクの低いアメリカや日本に限定して投資をするとよい。

まとめ

  • 債券とは、ある経済主体が他人から資金調達する際に発行する借用書のこと
  • 株式は企業が買い取る義務はなく、債券は企業が必ず返済する義務が生じる
  • 債券を保有中は定期的に金利を受け取れ、満期日には元本が返済される
  • 高金利=高リスクであり、金利に惑わされるのは危険
  • 債券市場における債券価格は、株価暴落時に上昇しやすい
  • 低金利な現状では、大して儲からない

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