イーサリアム(ETH)の解説

  • 2020年11月9日
  • 2020年11月13日
  • 銘柄

イーサリアムという暗号資産を聞いたことはあるだろうか?

ビットコインの上位互換の様な存在で、実用性が高く、多くの企業からも注目されている。

イーサリアムは将来、「100万円を超える」と予想する著名人もいる。

『さすがに、そこまで上がるとは思えないが。』

私自身、個人的にアルトコインの中では、一番期待している通貨である。

この記事では、イーサリアム(ETH)の仕組み・将来性についてザックリと解説。

基本情報

  • 作成日:2015年
  • 開発者: Gavin Wood、Jeffrey Wilcke、Vitalik Buterin
  • 通貨単位:ETH
  • 中央管理者:なし
  • 総発行枚数:無限
  • コンセンサスアルゴリズム:PoW(PoSに変更予定?)
  • 時価総額:約4兆円(2019年6月時点)
  • 時価総額順位:2位
  • 上場取引所:ほぼ全ての取引所

開発目的

  • 分散型アプリケーション開発の容易化
  • 契約内容の記録

仕組み

1. スマートコントラクト

この技術は、通貨の送金情報だけでなく、契約内容や文書などをブロックチェーン上に記録出来る。

ビットコインは、送金に関する情報のみ記録可能であり、送金以外の情報は記録出来ない。

スマートコントラクト技術により、様々な取引内容を安全で高速処理が可能となる。

さらに事前に登録しておいた取引条件と一致すれば、後はシステムが自動で契約を実行してくれる。

改ざんが困難と言われるブロックチェーン上に契約内容を記録する為、不正に契約変更される心配はない。

このおかげで、仲介業者を介する必要が無いので、コストも抑えられる。

この仕組みは、幅広い分野において応用出来そうだ。

『なんかよく分からないけど、すごそう。(・ω・ノ)ポカーン』

2. ブロックチェーン技術

中央管理者が不在の為、世界中で行われる取引を誰かが監視し記録する必要がある。

それを実現する為の技術の一つが、ブロックチェーン技術

「自分が友人に10BTC送金した」などの複数の取引データを、束にしてまとめたものがブロック

1つのブロックという箱の中に、沢山の取引データを詰め込むイメージ。

このブロックチェーン(鎖)で繋げていく仕組みが、ブロックチェーン技術

この情報(ブロックチェーン)は、ネット上に公開されており、誰でも閲覧可能である。

世界中にあるPCにブロックチェーンを保存し共有しており、ネットワークを通じて、皆が互いに監視し合う。

仮に犯罪者が自分のPCに保存している取引履歴を改ざんしても、他人のPCに保存してある取引履歴は変更される事はない。

つまり、誰か一人が取引履歴を改ざんしても、世界中の人達が保存している取引履歴と照合すると、すぐにバレる。

改ざんするには、取引履歴を保存している世界中の全てのPCにハッキングする必要があるので事実上不可能と言える。『考えた人、賢い!』

3. マイニング

複数の取引履歴を1つにまとめたもの(ブロック)ブロックチェーンに繋げる作業が必要。

ブロックをブロックチェーンに繋げる作業の事を、マイニングと呼ぶ。

このマイニング作業を行ってくれた人に、報酬として2ETH(約5万円分)が支払われる仕組みとなっている。

この報酬を目当てに、マイニングをする人々が現れるので、無事に取引が承認される。

マイニング作業は、権利を手にした人だけが行えるので、誰でも出来る訳ではない。

メリット

1 . 承認時間が早い

取引を成立させるには、承認作業(マイニング)をする必要がある。

ビットコインの場合は、10分に一度の間隔で承認作業が行われているが、イーサリアムは15秒に一度。

ビットコインと比較すれば、そのスピードの差はよく分かりますよね。

日常生活において決済が利用出来るほどではないが、今後も承認スピードは上がるだろう。

なお、Visaクレジットカード決済の1取引処理の所要時間は1秒以内。

イーサリアムも将来、クレジットカード並みの処理速度になるかもしれない。

2  . 発行枚数は無限

これはインフレの観点から見ると、投資家からは不評。希少価値が下がり、価格が上がりにくいからだ。

しかし、日常生活においてイーサリアムを利用するのであれば、発行枚数は有限でない方が良い。

例えばビットコインの場合、2100万枚と発行枚数に上限があるので、希少性が高いと言える。

その為、「私はこのBTCをずっと保有し続けるぞ」と考える人が増えるので、市場に通貨が流通しなくなる。

『実際、このようにBTCをガチホする人は多い。(笑)』

まさに今の日本と同じようで、皆が手元の現金を貯金ばかりするからデフレが発生してしまう・・・

デフレが起こると、市場に出回るお金が少なくなり、経済の流れがどんどん悪くなってしまう。

デフレ: 物やサービスの値段が下がり、お金の価値が上がる現象
結果的に、経済状況が悪い方向へと向かってしまうので、デフレを防ぐ為に政府がお金を大量に発行して、市場にお金が回りやすいように調整する。
しかし、発行枚数の上限があらかじめ決まっているビットコインでは、このような対応が出来なくなる。
イーサリアムには、発行枚数の上限がないので、市場に流通する枚数をコントロールしやすく、価格は比較的安定しやすいと思われる。
『一応、イーサリアムに半減期は設定されていないが、今後は設定される可能性がある。』
つまり、ビットコインよりもイーサリアムの方が通貨に相応しいと判断出来る。
開発者側は、発行枚数及び半減期の設定を検討していくと公表しています
まだ確実に決まった訳ではないので、今後も注目して下さい。
 

3 .  誰でも独自トークンを発行可能

独自トークンとは、自分達で発行して自由に扱えるコイン。
イーサリアムのプラットフォーム上で利用可能。
「Token Factory」というトークン作成サービスがあり、プログラミング知識が無くても独自のトークンを発行する事が出来る。
発行手数料は、0.15ETH掛かる。
この独自トークンがいわゆるICOとして利用されている。
ICO:企業が新プロジェクトを展開する際、資金を集める為に独自トークンを販売する
ICOでは、詐欺案件が非常に多かったので、悪いイメージが定着している。
独自トークンはICO以外にも様々な使い道がある。
  • コミュニティトークンとして利用する
  • ゲームアプリ内で利用する
  • 漫画家が独自トークンを販売して、それを資金源にする

知識・技術が無い人でも、気軽に独自トークンを発行出来るようになったのは面白い。

作り方は簡単なので、興味がある人は作成してみてはどうでしょうか?
 

デメリット

1 .  スケーラビリティ問題

現在は、暗号資産を利用している人は世界的に見てもまだまだ少数だ。

しかし、現時点でも処理時間に時間が掛かって遅いと言われている。

今後、多くのユーザーが参入してきた場合は、処理時間が長くなってしまうと懸念されている。

スマートコントラクト機能により、様々な契約内容などを記録する為、書き込むデータ容量も大きくなりがち。

処理時間が大幅に長くなるにつれて、マイニング(承認作業)にかかる費用も高まり、ユーザの送金手数料も高まると懸念されている。
『この問題は、ぜひとも開発者の方々に解決してもらいたい。』
 

2 .  書き換え不能なブロックチェーン

スマートコントラクトにより、契約内容をブロックチェーン上に記録出来るのは良いが、別の問題がある。
それは、ブロックチェーンの性質上、一度書き込まれると変更不可能という点だ。
これは不正に変更されないというメリットと、後から変更したくても変更出来ないというデメリットが存在する。
悪意ある人が、嘘の契約内容や反社会的な内容を記録しても削除するのが難しいという話。
過去にDAO事件と呼ばれるハッキング事件が発生した影響で、コミュニティの分裂という結果に・・・
 

3 .  ICO規制

ICOでは数えきれない程の詐欺案件が多発しており、被害額も相当なものだ。

世界でのICO詐欺被害総額は3000億円を超えるとも言われている。

『実は、この私もICO詐欺案件で、被害に遭ったのだ。』

『今でも悔やんでいる。何でもっとよく調べなかったのか。』

これは、イーサリアムが悪い訳ではなく、犯罪者達が悪い事をするのが問題なだけです。

とはいえ、被害者が続出する以上、政府としても見逃す訳にはいかない。

犯罪組織が莫大な資金を手にして、勢力を強める事にもなりかねないからだ。

既に多くの国で、ICOは厳しく規制されることになった。

規制を発表する国が増えれば、イーサリアムの需要が減る可能性があるので、価格は上がりにくいと思われる。

将来性

処理能力がまだまだ低い事や、政府の規制などの問題があるが、実用性は高いと思う。

それに、マイクロソフト会社などの大企業もイーサリアムの開発支援をしている。

スマートコントラクト機能によって、様々な分野において活用されると期待している。

あまり知られていませんが、イーサリアムのブロックチェーン上で遊べるゲームアプリも増えてきている。

調べてみると、面白いゲームが以外と見つかりますよ。ゲーム内でETHを使用してゲームキャラの装備を購入したりも出来ます。

ゲーム業界が今後、もっと参入してくればユーザも増え、イーサリアム(ETH)の需要も高まるだろう。

『興味があれば、ゲームで遊んでみて下さい! 結構面白いですよ!』

hiroの見解

個人的に、数ある暗号資産の中でも、イーサリアムが最も魅力的に感じている。

開発力・資金源・ビジョンにおいても他の暗号資産プロジェクトよりも高いからだ。

それに加え、今後は発行枚数に上限を設けるという旨を公表している為、投資対象としては十分アリだと思う。

暗号資産業界への参入者がまだまだ少ないので、5年後、10年後という長い目で見れば、暗号資産が世間に認められ、価格も徐々に高まると予想している。

しかし、政府の規制には注意が必要です。どれだけイーサリアムが優れていようと、取引禁止となれば終わりだ。

今後の政府の動向について、注目していきましょう。

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