金鉱株ETF GDXJの解説

別の記事で金鉱株ETF、GDXの解説をしたのだが、金鉱株ETFはもう一つあるので、今回はGDXJについて紹介しておこう。

GDXが大型銘柄を中心としているのに対し、GDXJは中型・小型銘柄をメインに組み込んでいるETFとなる。

その為、リスク的にはGDXJのほうが高く、その分だけリターンも高いと思われる。

GDXJの基本情報

  • 運用会社:ヴァン・エック・グローバル
  • 運用開始:2009年
  • 連動指数:MVIS Junior Gold Miners
  • 信託報酬:0.53%
  • 取引単位:1株
  • 現在価格:4500円
  • 配当利回り:1.8%

構成銘柄

 

企業名 割合
IMB 14.3%
パン・アメリカン・シルバー 5.4%
ヤマナ・ゴールド 4.1%
Merdeka Copper Gold Tbk PT 3.9%
SSRマイニング 3.5%
B2ゴールド 3.2%
Endeavour Mining PLC 3.1%
ファースト・マジェスティック・シルバー 2.6%
アラモス・ゴールド 2.5%
プレティウム・リソーシズ 2.4%

 

 

 

個人的に聞いたことのある企業は一つもなっかった。

中型銘柄が73%、小型銘柄が27%となっており、GDXJの構成銘柄としては、中小企業のみで組み込まれているが特徴。

金鉱会社というのは、鉱山の奥深くに人員を送り込み危険な採掘作業を進める為、優秀な人材確保や高価な機材を用意するのに莫大なコストがかかってしまう為、安定的に利益を出せるとは限らない。

特に小規模な金鉱会社は採算割れとなるケースも珍しくなく、業績赤字が続く会社も多い。

このような要因もあり、Gold価格が歴史的に上昇している現状においても、GDXJへの資金流入はそれほど確認されない。

GDXJの国別比率

 

国名 比率
カナダ 63%
アメリカ 18%
オーストラリア 12%
中国 3%
南アフリカ 2%
イギリス 1%

 

 

 

カナダの割合が全体の半分を占めている。これは鉱山がカナダに集中しているというよりは、カナダに金鉱会社が多い事が要因だと考えられている。

正直、この国別比率に関してはそれほど意識しなくていいだろう。

それより重要なのは、組み入れ企業がどれだけ分散されているかである。

その点、GDXJは60社以上に分散投資されているので、ひとまずは十分と言えるだろう。

GDXJの価格推移

それでは、GDXJの価格を見てみよう。

GDXJの価格は、2010年に最高値を付けた後に、大幅に暴落する格好となっている。

Gold価格が最高値を更新した今でも、GDXJが最高値を更新する気配は全く感じられない。

2021年はコモディティ市場への資金流入が盛んであった年だが、それでも金鉱株市場に資金が流れていないのは元々注目されていないからだろうか?

会社の事業規模がいかに小さいとはいえ、今後もGoldや他の貴金属の価値は長期上昇トレンドに入ると予測しているので、いずれは金鉱株の業績も改善され株価上昇も期待できると考えている。

メリット

1. NISAで買うと手数料が無料

通常、株やETFを購入する場合は、購入する際に買付手数料を支払う必要がある。

この買付手数料は、信託報酬と違って買う時だけしか掛からないのだが、100円前後支払う必要がある。

また、保有資産を売却する場合にも同様、売却手数料を支払わなければならない。

このように、積み立て投資などで頻繁に取引するケースでは、結果的に多くの取引コストがかかってしまうのは痛いものだ。

しかし、楽天証券では「一般NISA」を選択する事で、これらの取引手数料が無料にできるのでお勧め。

まとめ

今回の記事では、金鉱株のETFであるGDXJをご紹介してきた。

金鉱株はどうしても、金属価格に業績が左右される事になるので、2022年に量的緩和終了・利上げが行われていくと発表された今、積極的に買える局面とは思えない。

その為、短期的にはさらなる株価下落余地は残っているように思われるが、長期的視点で考えると金属の需要は伸びる可能性が高く、また別のパンデミックや戦争、インフレ加速に備えて貴金属投資を始める投資家が増えていけば、GDXJもその恩恵を受ける日は来るかもしれない。

個人的にGDXJはリスクが高すぎる事と、GDXで十分と考えているため、長期運用ポートフォリオには組み込んでいないものの、市場の動向を把握する為に参考指標として注目していきたい。

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