株価の決まり方

  • 2021年9月4日
  • 2021年9月4日
  • 株式

株価は毎日変動しているが、どのように価格は決定されているのだろうか?

また、株価に影響を与える要因は何だろうか?

株価の他に、株価指数や時価総額という言葉があるが、どんな意味なのだろう?

この記事では、株価が決まる仕組みと、株価指数などの基礎知識も解説していく。

株価の決まり方

株価とは、1株当たりの価格のことである。

発行元の企業によって、株価は全く異なる。同じような事業内容の会社が2つあっても、業績の良し悪しにより、株価も異なる。

株価の決まり方は、ずばり需要と供給のバランスで決定される。

買いたい人(需要)が増えれば、多少価格が高くなったとしても買われていくので、株価はどんどん上昇していくだろう。

売りたい人(供給)が増えれば、価格が少し下がってもとにかく売ろうとするので、株価は急落していく。

このように、株価は需要と供給のバランスに左右され、投資家の心理状態が株価に反映される形となる。

その投資家の心理状態に影響を与えるものは、主に以下の項目である。

  • 会社の業績や将来性
  • 競合他社との優位性
  • 経済全体の状況
  • 政府による金融政策
  • テクニカルのサイン

上記のように、いくつもの要因が投資家心理に影響を与え、そして考えが変わった投資家は別の行動をとり始めるという訳だ。

例えば、これまで株を買っていた投資家が、会社の業績報告結果が悪いことを知ったことで、一斉に売り注文を出し始めるだろう。

その為、会社が定期的に報告する業績レポート(決算発表)には、よく注目しておいたほうがいい。

しかし、ここで注意しておいてほしい事がある。

それは、株価が決まる仕組みは、あくまで需要と供給のバランスであるという点だ。

通常、決算発表の内容が想定以上に悪ければ、失望した投資家達による売り注文が増加し、株価は下落しやすいと説明した。

だが必ずしも教科書通りに動かないのが相場であり、決算発表の内容が酷くても、将来性に期待している投資家が構わず買い続けるケースもあるのだ。

そうすると、決算発表の内容に関係なく、株価は大きく上昇し続け、あの時売らないほうが儲かっていたのにと後悔する事になる。

株式市場には世界中の投資家が結集しており、皆がそれぞれ異なる思惑を抱いたうえで資金を投じているのだ。

これが、プロの投資家でさえ、将来を予測するのが難しいと言われている最大の原因である。

株価指数とは?

株価指数とは、株式相場の状況を示すために、個々の株価を一定の計算方法で総合し、数値化したもの。

例えば、日本企業が4社しか存在していないと仮定した場合の、日本企業の株価指数は下図の通り。


実際はもっと複雑な計算式だが、株価指数はいわば市場全体の株価の平均値のようなものであり、株価指数を見れば市場全体の活気度を把握できる。

株価指数が高ければ、株価が上昇している企業が増えている事を意味するので、日本経済の成長が期待されている証拠と言えるだろう。

この株価指数は、日本だけでなく世界中にもたくさん存在しているので、気になったら調べてみるといい。

日本の有名な株価指数は以下の通り。

  • TOPIX(東証株価指数):トピックスと呼び、東京証券取引所に一部上場している全ての日本企業が対象
  • 日経平均株価(日経225):東証一部に上場している企業のうち、時価総額が大きい順に選ばれた225社が対象

 

この2つ以外にも、様々な株価指数が存在しているが、まずはTOPIXと日経225を覚えていれば十分だ。

ニュースでTOPIXが高値を更新したと聞いたら、それはつまり、東証一部に上場している日本企業の株価がどんどん上昇しているんだなと思えばいい。

しかし、株価が上昇しているからと言って、必ずしも業績が好調な訳ではない事に注意。業績に関わらず、株を適当に買っていけば株価は上がるからだ。

時価総額とは?

時価総額とは、企業の価値や規模を示す指標である。

時価総額の求め方は、 株価 ✕ 総発行株数 で求められる。

株価が500円で、1000株発行している企業の時価総額は、 500円 ✕ 1000株 = 50万円となる

 

株価は投資家心理で毎日頻繁に変動しており、また他の企業の株価と比較した場合でも、価格に差があるケースがほとんど。

同じような業種であっても、企業によっては株価が大きく異なるので、従来は株価が高ければそっちの企業のほうが優秀だと判断していた。

そんな適当に判断していたある日、時価総額という概念が誕生し、株価だけでなく総発行株数も加えて計算してあげれば、その企業の規模が把握できる上に、時価総額を用いて他の企業と比較してみる事で、どちらの企業のほうが規模が大きいかが判断できるようになった。

これにより、株価が500円程度と安くヤバイ企業と思われてた会社が、時価総額を計算してみた結果、規模が大きい会社である事に気づかされたケースもよくある。

また、時価総額とは 株価 ✕ 総発行株数 で求められるので、その会社が発行している全ての株式を買い占めるのに必要な金額を意味している。

例えば、日本最高峰の企業であるトヨタ自動車の時価総額は、31兆円を超えている。

これはつまり、トヨタ企業の株を買い占め、経営権を支配するには31兆円くらいの資金が必要という訳だ。

時価総額が低いと、莫大な資金を持つ大企業から株式を買い占められ、最終的には経営権までもが容易に奪われる恐れがあるので、投資をする際は時価総額にも必ず注目しておこう。

hiroの見解

今回は、株価の決まり方と合わせて知っておくべき用語について解説した。

初心者向けの投資解説記事では、やはり教科書的な説明のされかたが目立つように感じるが、相場はそんなに甘くはない。

教科書通りに動かないのが相場であり、一生懸命に勉強して学んだ理論なども、言うほど通用しないだろう。

全てが想定通りに動いてくれれば、私もプロの投資家もこんなに苦労する事はないし、皆が大金持ちになっているはずだ。

にもかかわらず、私は過去に何度も損失を出しているのは何故だろうか?

私はあの時、確かに教科書で学んだ通りに取引したはずだが、実際の相場は全くの想定外の動きをして、私を悩ませた。

しかし、相場とはそういうものである。世界中の投資家の様々な思惑によって乱高下する以上、それを正確に予測する術など存在しないのだ。

それこそが唯一の正しい答えである。あなたが投資を始めるつもりなら、この不条理な現実を受け入れる事から始める事をお勧めしたい。

まとめ

  • 株価は、需要と供給のバランスで決定される
  • 株価指数とは、株式相場の状況を示す数値
  • 時価総額とは、企業の価値や規模を金額で示す
  • 相場は、教科書通りに動かない

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