これまで、エリオット波動論の基礎的な知識について解説してきた。
しかし、相場とは理論通りに動いてくれるとは限らない。
予想外の値動き、判別しづらいチャートパターン、エリオットカウントが正しくできない事なんて日常茶飯事だ。
例えば、通常の調整波動であれば、下記の調整パターンのうち、どれか一つが出現しやすいと解説してきた。
- ジグザグ調整
- フラット調整
- トライアングル調整
しかし、このような調整パターンが連続で2種類以上も出現してくる事があり、このせいでエリオットカウントを難しくしているケースが多い。
このような複数の調整パターンが連続で出現するのを、複合型修正と呼ぶ。
そこで今回は、エリオット波動論の複合型修正について解説していく。
複合型修正の種類
ダブルジグザグ
abcのジグザグ調整をW波と捉え、繋ぎのX波を間に挟んで、再度abcのジグザグ調整をY波と捉えた波動を、ダブルジグザグと呼ぶ。
ダブルフラット
abcのフラット調整をW波と捉え、繋ぎのX波(ジグザグ)を間に挟んで、再度abcのフラット調整をY波と捉えた波動を、ダブルフラットと呼ぶ。
トリプルジグザグ
abcのジグザグ調整をW波と捉え、繋ぎのX波を間に挟んで、再度abcのジグザグ調整をY波と捉え、さらにもう一度繋ぎのX波を挟み、abcのジグザグ調整をZ波と捉えた波動を、トリプルジグザグと呼ぶ。
トリプルジグザグ
abcのフラット調整をW波と捉え、繋ぎのX波を間に挟んで、再度abcのフラット調整をY波と捉え、さらにもう一度繋ぎのX波を挟み、abcのフラット調整をZ波と捉えた波動を、トリプルフラットと呼ぶ。
2種類以上の調整パターンが出現する例
ここまでは、同じ調整パターンが連続で出現する複合型修正について見てきた。
しかし、異なる調整パターンが連続で出現するケースもある。
<2連続の場合>
- ジグザグ調整 → フラット調整
- フラット調整 → ジグザグ調整
- ジグザグ調整 → トライアングル調整
- フラット調整 → トライアングル調整
<3連続の場合>
- ダブルジグザグ調整 → フラット調整
- ダブルフラット調整 → ジグザグ調整
- ダブルジグザグ調整 → トライアングル調整
- ダブルフラット調整 → トライアングル調整
上記に挙げた以外のパターンも存在しているが、基本的に覚えておくべき点は以下の2点。
- 複合型修正において、トライアングルは必ず最後に出現する
- 複合型修正において、修正パターンは連続で3回までが限界であり、4回以上連続で出現する事はない
トライアングルは必ず最後に出現すると言うのは、トライアングルが最初に出現する事はないという意味。
複合型修正に、必ずトライアングルが出現しないといけない訳ではない。
トライアングルが現れるのであれば、それは一番最後に出現するという事。
つまり、トライアングルが出現したという事は、その時点で調整波が終了間近である事を示唆しており、次の波動に移行する可能性が高いと覚えておこう。
hiroの見解
今回は、複合型修正について解説してきた。
長く複雑なレンジ相場に見えたものが、実は複合型修正であったケースは意外と多い。
エリオットカウントの仕方は、慣れていないと人によって異なりやすいが、大衆と目線を一致させるには非常に役立つ。
最初は適当でも構わないので、ここまで学んできたエリオット波動論の知識を思い出しながら、エリオットカウントをする練習を積み重ねていこう。
まとめ
- 調整パターンが連続で2種類以上出現するのを、複合型修正と呼ぶ
- 2回以上連続で出現するものは、主にダブルジグザグやダブルフラットがある
- 3回以上連続で出現するものは、主にトリプルジグザグやトリプルフラットがある
- トライアングルが出現する場合は、必ず一番最後に現れる
- トライアングルが現れた時点で、調整波が終了間近と考えること