トロン(TRX)の解説

  • 2020年11月9日
  • 2020年11月13日
  • 銘柄

トロン(TRX)という暗号資産を聞いた事はあるだろうか?

今では、大人気になった動画コンテンツYouTube。『私もほぼ毎日見ている。(笑)』

YouTubeの欠点を克服した次世代動画プラットフォームを目指しているのが、このトロン。

果たして将来、トロンがYouTubeにとって代わる存在となるのか?

この記事では、トロン(TRX)の仕組み・将来性をザックリと解説。

基本情報

  • 作成日:2017年
  • 開発者:Justin Sun
  • 通貨単位:TRX
  • 中央管理者:なし
  • 総発行枚数:1000億枚(900億枚は、バーン予定?)
  • コンセンサスアルゴリズム:PoS
  • 時価総額:約1254億円(2019年8月時点)
  • 時価総額順位:14位
  • 上場取引所:Binance、OKEx、HitBTC、CoinBene、DigFinex、IDAX、Huobi、CROSS exchange、・・・

開発目的

  • クリエイターを支援し、エンタメ業界を発展させる事

仕組み

まず、TRONとTRXはそれぞれ別の意味を指す。

TRONは、ブロックチェーンを用いてクリエイターが自由に作品をデジタル資産として発表出来るプラットフォーム。

TRONプラットフォーム上で、利用する通貨がTRX。

  • TRON(トロン):デジタルコンテンツを投稿する為のプラットフォーム
  • TRX:TRONプラットフォーム上で利用する通貨単位

1 .  ブロックチェーンに記録

ブロックチェーンを利用して、分散型ストレージ技術を使い、皆のPCの空き容量を借りて、そこの空き容量にコンテンツを保存。

参加者が多ければ多いほど、コンテンツを保存出来る容量も増加する為、ほぼ無限の容量が確保される。

YouTubeなどの動画コンテンツでは、会社が管理するサーバがダウンした場合は、サービス自体もストップしてしまう。

しかし、このブロックチェーン上にコンテンツを記録し、皆で分散管理をする事でサービス中断を阻止する事が可能と考えられる

2 .  トークン発行

誰でも独自のTRON20トークンを発行し、個人でICOが可能となっている。

クリエイターが作品を作る際、費用が必要ですが、資金が足りない時にTRON20トークンを発行し、それを販売する事で資金調達が出来る。

そのクリエイターが人気になれば、ICOで販売したコインの価格が上がり、儲かるチャンスがあるのだ。

このように、買い手(ユーザ)と売り手(クリエイター)の両方にメリットがある仕組みとなっている。

メリット

1 .  コンテンツの質が高まるかも?

大人気の動画コンテンツ Youtubeは、動画を見てもらえなくても広告さえ流れたら広告収入が得られる仕組み。

つまり、投稿された動画の内容がつまらない場合でも、クリックされ広告が表示されたら投稿者は儲かるのだ。

この仕組みのせいで、以下の問題が発生する。

  • 釣り動画(タイトルとサムネイル)のようなものが生まれる
  • 批判や注目を浴びる危険な内容の動画が増える

視聴回数を増やす為に、過激な動画を投稿するのが社会問題として懸念されている。

この現状を変えるため、コンテンツの面白さに対してお金が発生する仕組みにしたのがTRON。

面白いコンテンツに対して、投稿者に直接、投げ銭としてTRXを支払う事が可能となっている。

つまらない動画には、誰もTRXを寄付しないはず。

犯罪に触れる危険な行為を撮影した動画などは、誰も寄付しないと考えられ、自然に消滅していくかも?

『そんな単純な考えで上手くいくのか疑問ではあるが・・・』

コンテンツが正しい評価を受けるようにする事で、結果的にTRONのコンテンツ全体の質を上げる事につながると思われる。

『良い発想だが、そもそも誰が寄付するんだろ?・・・』

デメリット

1 .  既存の強力なライバルの存在

YouTubeなどの既存のサービスが強力なライバルとして挙げられる。

ようやくYouTuberが認知されてきた今、既存のサービスを淘汰してまでクリエイターがTRONを使用するか疑問だ。

暗号資産業界への参入者も未だに少ない現状では、TRONを利用するユーザの増加はあまり期待出来ない。

クリエイターとしてもユーザーがまだ少ないTRONを利用したいとは思わないはず。

TRONがYouTubeと同じ規模のコンテンツに成長するには、かなりの時間を要するのは確実だろう。

2 .  規制問題

中央管理者が存在しないエンタメサービスなので、動画を規制する人は誰もいない。

著作権・性的内容・グロテスク・反社会的などの内容を含む動画を削除する事が出来ないのは大問題だ。

法的・倫理的に明らかに違反している動画を放置していると、サービスが止まる可能性がある。

第3者が、違法コンテンツを削除する必要があるが、それだと中央集権となってしまう。

この問題は、TRONの将来を揺るがす重要問題となっているので、慎重に検討してほしいものだ。

将来性

TRONプロジェクトのロードマップ(計画)は、長期に及ぶものであり、完成するのが2025年頃の予定とされている。

開発予定スピードがかなり遅く、それまでにTRONを上回る画期的な別の何かが登場すれば、TRONは窮地に追い込まれることに。

それに加え、TRONの仕組み自体にも、クリエイターへの満足な報酬政府による規制などの懸念が残っている。

巨大なYouTubeに打ち勝てるかどうか・・・ 正直、厳しいような気がする。

hiroの見解

YouTubeを毎日視聴している私から見れば、今回のお話は馴染み深い気がする。

確かに、最近のYouTubeにアップロードされる動画には不適切な内容が多くある為、YouTubeによる規制がより強化されている。

きちんと規制をしていく事も大切だが、重要な情報の拡散・共有・保護をするには、非中央集権の仕組みにも需要はある。

『YouTubeに都合の悪い情報は、YouTube会社の意思で自由に削除されるし・・・』

TRONプラットフォームによって、結果的に表現の自由を守る事がより実現しやすくなるかもしれない。

とはいえ、現状ではまだまだ懸念材料が多すぎて、とても世間に受け入れられる状態にあるとは言えない。

しばらくは、様子見をしておくのが無難だろう。

今後、TRONが世に普及していくかどうかは分からないが、気になった人は購入してみてはどうだろうか?

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