銀 (Silver) の解説

  • 2021年8月14日
  • 2021年8月14日
  • 貴金属

貴金属への投資を考える際、Silverが有力な選択肢となる。

Goldと比べると希少性は劣るものの、Silverは工業において必要不可欠な材料であり、現在価格もGoldより割安で手頃だ。

Silverの需要がゼロになる可能性は限りなく低く、地球に存在する量も限られている為、長期的に買い増しする戦略は悪くないはず。

この記事では、Silver投資のメリット・デメリットについて解説していく。

Silver(銀)とは?

原子番号47、元素記号Ag

Silverの主な用途としては、全体の5割は工業用の原料として用いられる事が多い。

2割は、宝飾品や銀器として使われている。

残りの3割の用途は、インフレ対策などが目的で買われる投資需要である。

Silverの産出国として有名なのが、メキシコ、ペルー、中国であり、世界の過半数を占めている。

メリット

1. インフレ対策に最も有効的

世界各国の中央銀行は、経済が激しく落ち込む度に、その救済策として量的金融緩和という金融政策を打ち出してきた。

そして、2020年のコロナショックによる経済的損失をカバーする為、どこの国も歴史上最大規模の量的緩和を行っている。

量的緩和の詳しい解説は、下記のサイトに書いてあるので、そちらを参照してもらいたい。

 

長期的には物価上昇トレンドが継続すると思われ、そうなれば生活は当然苦しくなる事が予想される。

 

使わないお金を銀行口座に貯金しているだけでは、0.001%という僅かな利子しか付かない。

それなのに何故、大切なお金を無意味に預金するのだろうか?

 

物価や税金が高くなる以上、我々も資産を少しでも増やす努力をしなければならない。

インフレ対策として、Silverは有力候補に挙げられる。

 

下記は、Silver価格の長期チャートである。


2015年以降、コロナショックで一時的に暴落したものの、価格は上昇傾向と言える。これは言い換えると、米ドルの価値が暴落している証拠でもある。

なぜならSilverは一般的に、世界基軸通貨である米ドル建で価格が表記されており、米ドルとSilverの取引が最も活発だからだ。

これまでの流れとしては、多くの投資家は米ドルを手放し、代わりにSilverを手にしているようだ。

量的緩和が続く限り、この流れは続くと考えられるし、Silver価格は歴史上最高値を突破する可能性も十分にあり得ると思う。

この予測が正しいのであれば、インフレ対策の一環として日頃からSIlverを買っておけば、Silver価格が大きく上昇していく事で自分の資産の増加も期待できるだろう。

2. 希少価値が高い

貴金属の一つであるSilverは、Goldには劣るものの希少性が高いと言われている。

現在世界に存在している採掘済みのSilverは約100万トン以上であり、これはGoldの5倍以上に相当する。

まだ採掘されていない地中に埋まっている量は、残り約40万トン。

これだけ聞くと、何だか沢山採掘されていて、本当に希少性が高いのか不安になってしまうだろう。

 

確かにGoldと比較すれば多いが、Silverは工業用の材料として非常に重要な役割を果たしており、また今後発展途上国が経済発展の為にSilverの買い需要が爆発的に増加するシナリオも十分にあり得るだろう。

総量は多いとはいえ、地球上に存在するSilverは限られている。世界人口が増え、資源争いになっていく場合はSilver価格も今より何倍も高くなるだろう。

このようにSilverは希少性が高まる可能性があり、それを知っている投資家による買い占めが行われることで、今後もより価値が高まっていくと考えられる。

3. 世界共通の価値

Silverの価値は、日本国内のみならず世界共通と言える。

日本円は日本でしか使えず、米ドルは基本的には米国でしか使えない。(一部例外あり)

その国が発行する通貨の価値とは、その国の経済力や財政状況に大きく依存してしまう。

日本政府の借金が膨大になり、仮に財政破綻した場合はどうなるだろうか?

日本でしか使えない日本紙幣は、文字通りただの紙屑となり、その紙は海外に持って行っても決済に使えない。

つまり、どれだけ沢山のお金を稼いだとしても、そのお金を全て日本円で保有しているなら、ある意味リスクが高いと言えるだろう。

しかし、Silverに関しては世界中の人間、誰もが価値があると妄信している。

その為、日本紙幣が紙屑になったとしても、Silverを保有さえしていれば海外に行った際、Silverを売却し現地通貨を受け取る事ができるだろう。

少なくとも、一文無しにはならずに済むという訳だ。

デメリット

1. 利息や配当は一切なし

当たり前だが、Silverは株式や債券と違って配当や利子も付かないので、資産の増加スピードはそこまで早くない。

これが、Silverが敬遠される一番の理由ではないだろうか?

昨今は、どこの国も超低金利が続いており、銀行預金の金利も低く、預けていても利式がほとんど付かない状況である。

このように低金利な状況が続けば、Silver価格は伸びやすいと言えるが、仮に今後預金金利が大きく上昇するような事になれば、金利を欲しがる投資家は、利子の付かないSilverを売却し預金をしたり、債権を買う流れが出てくる事も想定される。

その為、政策金利の変動には注目していく必要があるだろう。

2. 景気が悪いと下がりやすい

一般的にSilver価格は景気が良い時に上がりやすく、景気が悪くなると価格が下がる傾向がある。

Silverの主な用途が、工業や装飾品の材料として活用されているからだ。

経済状況が良く、企業が商品を大量に製造する際は、Silverの需要も連動するかたちで伸びるので価格も上昇しやすい。

逆に、経済状況が悪くなるとSilverの工業における需要が激減してしまう為、価格もつられて下落しやすい。

 

実際に、2020年3月のコロナショック時のSilver価格を見てみよう。


コロナショック発生時は、世界各国で緊急事態宣言やロックダウンが行われ、経済活動が一時的にストップしていた。

それと同時に、Silver価格も大きく値を下げ、直近最安値を割り込む格好となった。


これらの観点からSilverr価格を予測する上では、経済状況について詳しく理解しておく必要があるだろう。

3. 為替差損のリスク

国内のSilver現物価格は、国際価格に連動するようになっている。

その国際価格は、米ドル建で表記されるの一般的の為、国内金価格も米ドル円の為替相場に影響される。

結論から言うと、ドル安になればなるほど、円換算した資産評価額が落ちる事になるし、ドル高になれば資産評価額は上がる。

Silver価格そのものが上昇したとしても、ドル安が想定上に進行した場合、為替差損によりリターンはあまり伸びない可能性も考えられる。

 

米ドル円の価格推移を見ておこう。


短期的には上昇しているものの、長期的に見ると米ドルは下落トレンドが続いているようにも見える。

左とチャートパターンが似ているが、同じような値動きをすると仮定した場合、85円近くまで続落する可能性もある。

このように、長期にわたってドル安相場が続いていくなら、Silver投資のリターンも円換算してみると、それほど利益が伸びない懸念もある事に注意すべきだ。

hiroの見解

今回は、Silver投資のメリット・デメリットについて解説してきた。

貴金属投資と言えば、まず思いつくのはGoldだと思うし、安全性に関してもGoldのほうが信頼できる。

しかし、Goldの現在価格は歴史上最高値付近に位置している。

一方で、Silverの現在価格は未だ安値圏内にいると思うので、最高値との乖離は開いたままだ。


Gold(左側)と Silver(右側)のチャートを見比べてみよう。

見ての通り、単純にチャートだけで判断すると、Silverのほうが上昇の余地が残っているようにも見える。


私自身、50万円以上のSilverを既に保有しており、今後も少しずつ買い増ししていく戦略を立てている。

一度買ったSilverは、基本的に売却する予定はなく、ずっと持ち続けるつもりだ。

皆さんも、将来の危機に備える為、Silver投資の検討をしてみてはいかがだろうか?

まとめ

  • インフレ対策に有効的
  • 希少性が高い
  • 世界共通の価値
  • 利息や配当は付かない
  • 為替の影響が懸念点
  • 将来に備える為、Silver投資の重要性は高い

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