近年、日本の大学の運営費予算が少なすぎると問題になっている。
少子高齢化が進んだことで、税収が減る一方、社会保障などの出費が増加したことも要因と言われているが、政府が大学に割り当てる科学技術予算が一向に伸びない。
このままでは、韓国にもいずれ追い抜かれ、中国はとっくの昔に追い抜かれている。
研究開発費が減るという事は、日本の経済基盤が世界に後れを取り、今後日本でイノベーションが起きにくい環境になってしまう。
簡単に言えば、中国や韓国が最新のテクノロジーを開発・活用し、画期的な製品を作り上げる事が想定される。
研究力が激減した日本は、他国が開発したテクノロジーを後から追いかける形で取り入れるしかなくなるだろう。
結果的に、日本は経済力がどんどん落ちていき、景気が悪くなると国の税収も減る為、軍事予算も削減され、軍事力低下へと繋がる。
そうなれば、日本は中国の軍事的脅威に対抗することが不可能となり、実質的に中国の言いなってしまう訳だ。
これも全て、未来ある若者への投資を渋り、年金生活者の高齢者を優先してきたツケが回ってきたのである。
それもそのはず、政策を決定する政治家達は、国民からの支持率を最も重視する傾向がある。
なぜなら、支持率が低下すれば政治家を続けることはできず、無職になってしまうからだ。
その為、政治家は自分に最も票を入れてくれる年齢層の人々の声を聞き入れる。
若者の投票率が30%前後と低い水準である一方で、高齢者の投票率は70%前後と高い水準を維持している。
これでは政治家が、高齢者に有利な政策を決定するのも仕方がないだろう。
日本がここまで落ちぶれたのには、若者にも責任があると言える。
一人一人が政治に興味を持ち、若者も投票しにいかない限り、この状況は永遠に変わることはないだろう。
さて話を元に戻すが、この状況を重く見た日本政府は、国立大学の研究資金を充てる為に、政府主導の大学ファンドを設立した。
この大学ファンドでは、政府公費から最大10兆円規模の資金を調達し、専門家による資産運用が行われる予定である。
年利4%以上を目標として掲げており、得られた利益は毎年、各大学に研究費補助として割り当てるようだ。
しかし、年利4%を実現するのは容易ではないだろう。昨今の低金利では、債権運用だと大して利益にならない。
その為、株式などを中心としたハイリスクな運用スタイルを取らざるを得なくなる。
株式にも投資をするのであれば、当然日本株を中心としたポートフォリオになると思われるので、数兆円規模の資金が日本の株式に流れ込む事が想定される。
この大学ファンドが日本株を買い続けてくれるのであれば、今後は日本株投資の魅力が増すことになるだろう。
問題は、どの銘柄が買われるのかである。 大学ファンドの動向には目を離せない。