株のバブル相場は限界を迎える

リーマンショック以降、金融緩和によって支えられてきた株式市場は、もはや以前とは全く別の性質を持つようになってしまった。

景気低迷を察知するたびに、中央銀行は金融緩和を打ち出してきたが、この方法も持続的なものとは言えない。

金融緩和によって、資産価格は買い支えられ上昇を続けてきたのだが、金利が限りなく0に近づいている昨今の低金利環境では、債券投資は大して儲からない。

そこで、より利益が得られる金融商品を求めて多くの投資家は株式に投資を始めてきた。

量的緩和や給付金の恩恵もあり、現在の株価は実体経済とはかけ離れる勢いで上昇し、価格上昇に目を付けた素人投資家までもが株を買い始めている状況である。

 

米国株は最高値を更新し続け、これからも長期的に上昇していくように見えてしまう。

しかし、ここで考えるべきはリスクプレミアムである。

ハイリスクな株式のリスクプレミアムは、安全資産の部類に入る国債のリターンへと近づいており、もはやリスク資産をわざわざ買う理由はなくなってきそうだ。

株価は理論上、上昇するには限界値というものがある。その株が元本に対して将来受け取れるリターンが何%程度あるのかという話だ。

例えば、100ドルの株があり、一株当たりの利益が3ドルであったとする。利回りは3%となる。

その株が300ドルまで上昇する。会社の業績は変わらず一株当たりの利益も3ドルのままだとする。利回りは1%に低下する。

300ドル(3万円)を投資しても、毎年受け取れる利益は1ドル(100円)しかなくなる。

株式は会社が発行するものであり、発行体である会社が倒産すれば無価値になるリスクも潜んでいる。

一方で、発行体が政府の国債投資の場合は、株式投資よりも破綻するリスクがかなり低く、安全資産である。

そんな安全な国債が、仮に年間2%の利回りを提供していたらどうなるか?

ハイリスクで利回りが1%の株よりも、ローリスクで利回りが2%の国債を選ぶ人が増えるのは当然の流れだろう。

このように、理論的には株価が無限に上昇し続けるシナリオは考えにくいという結論になる。

 

量的緩和や給付金により、余ったお金が株式市場に流れ込み、株価が上昇すればするほど、株のリスクプレミアムは減少し続ける。

その為、いずれ量的緩和の効果は限定的となり、潮時と判断した投資家による利益確定売りが一斉に入り、どこかのタイミングで大きな下落調整が入ると予測している。

 

そうなれば株式市場は混乱状態に陥り、その影響を経済に波及する前に、中央銀行は再び量的緩和を全力で推し進める事になるだろう。

しかし、このような方法では、根本的な解決策とはならない。

 

リスクプレミアムが低下し続け、ハイリスク資産より安全資産への注目が集まれば、やはりGold投資の重要性は今後も高まるだろう。

Gold投資の解説記事は、下記のサイトを参考にしてもらいたい。

           金 (Gold) の解説

 

 

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