ダウ理論の6原則

テクニカル分析の基礎として、世界的にも有名なダウ理論を知っているだろうか?

 

投資家なら誰もが知っている基礎理論であり、相場を分析する上で必須の知識である。

このダウ理論は、19世紀にチャールズ・ダウ氏が株式市場向けに提唱したものだが、株式市場のみならず、FXや暗号資産取引においても非常に役に立つ。

それに、19世紀から今日に至るまで、ずっと語り継がれているという事は、それだけ世界中の投資家に支持されている証明でもある。

このダウ理論の基礎を学べば、根拠を持ったエントリーが出来るようになるので、分析精度が高まる事は間違いないだろう。

 

ダウ理論は、全部で6つの原則により構成されているので、順番に紹介していこう。

原則1:平均株価は全ての事象を織り込む

基本的に株価は、その会社の業績発表が予想を下回った時や、その会社が存在する地域や国で大規模な災害やテロが発生すると、価格は暴落するだろう。

逆に、会社の業績発表が予想を上回った時や、政府の金融緩和発表、主要な経済指標の結果が良かった場合などは、価格は大きく上昇するだろう。

 

このように、株価は様々な事象(ファンダメンタルズ)によって変動するものと言える。

その為、企業の財務状況・業績や世界で起こり得る現象を予測し、それらの情報を今後の取引に活用していく分析手法が存在する。

その分析手法を、ファンダメンタルズ分析と呼ぶ。

しかし、現代においてファンダメンタルズ分析は、プロのアナリストでも容易な事ではない。

なぜなら、現代社会はグローバル化が進み、各国・各企業などが密接に繋がり、互いに影響を及ぼし合っているので、将来予測をするにはあまりにも複雑だからだ。

 

この観点からも、素人にファンダメンタルズ分析を主軸とするのは非常に困難であり、現実的とは言えないと思う。

 

ここでようやく本題に入るのだが、ダウ理論においては、ファンダメンタルズ分析をする必要はなく、テクニカル分析だけでも十分にカバーできるとされている。

どういう事かと言うと、これまでに話してきた株価変動の要因とも言える事象、例えば業績発表や政府の金融緩和開始、自然災害、大規模テロなどは、発生した直後に価格に影響が及び始める訳ではないようだ。

厳密には、それらの事象が起きると知っている人間は、この世に一定数存在しているからだ。

 

会社の業績発表に関しては、会社の幹部は当然知っているし、金融緩和開始については政府関係者なら知ってて当然だ。

他にも、自然災害は災害対策課の専門家なら、ある程度は予知できるだろう。テロに関しても、実行犯やテロ関係者達は、どのタイミングで実行するのかを計画しているはずだ。

 

実際に、インサイダー取引を行って逮捕された事例を紹介しておく。

SMBC日興元社員を告発ーTOBでインサイダー容疑

ドン・キホーテ前社長インサイダー逮捕

インサイダー取引:未公開情報を不正利用して、取引を行う犯罪行為

 

このように、株価変動に大きな影響を与える事象が世間に公になる前に、その情報を掴んでいる投資家達が、あらかじめ持ち株を売り抜けるなどの行為をしている可能性は十分に高いと言えるだろう。

 

その影響が、実際の株価チャートに反映される事があると言われており、そう言った違和感に気づくことが重要だ。

 

例えば、A社の株価は上昇トレンド中で、これまでずーっと株価は上がり続けているのにも関わらず、直近では明らかに大きな売り注文が増加し始めているなど。

それは、ただの利確売りなのか、それとも重大な問題が裏で見つかっているのかは、我々には知りえない。

だが、そのような違和感をチャートから読み取り、念のためにポジションを手仕舞っておく事で、危機を回避する事は可能となる。

これが、ダウ理論の原則1:「平均株価は全てを織り込む」である。

ファンダメンタルズ分析ができなくても、全ての事象はチャートに反映されている為、テクニカル分析さえできていれば、何とかなるという考えだ。

原則2:トレンドは3種類に分けられる

投資で安定的に稼ぐには、トレンドに沿った取引を主軸とする、順張りエントリーが無難な戦略である事は、これまで何度も説明してきた。

 

しかし、このダウ理論によると、トレンドは時間軸によって大きく3つに分類されているようだ。

  1. 長期トレンド:1年~数年にわたる長期的サイクル 
  2. 中期トレンド:3週間~3カ月にわたる中期的サイクル
  3. 短期トレンド:3週間未満の短期的サイクル

 

実際に、BTC/USDチャートを見てみよう。

長期トレンド 週足

 

中期トレンド 日足

 

短期トレンド 15分足

 

このように、トレンドは時間軸によって、短期・中期・長期に区分されており、それぞれの時間軸によって方向性がバラバラであるケースや、ほぼ一致しているケースもある。

その為、同じ銘柄の取引であっても、自分がどの時間軸を主軸として取引していくのかを、きちんと明確にしておく事が大切だ。

 

一般的にトレードスタイルは、以下のように区分されている。

  • 長期トレンドを主軸とした取引スタイル:スイングトレード
  • 中期トレンドを主軸とした取引スタイル:デイトレード
  • 短期トレンドを主軸とした取引スタイル:スキャルピングトレード

この3つのどれが良いかという話ではないが、自分の生活リズムに合わせた取引スタイルを確立しておいたほうが、当然成績はよくなるはずだ。

忙しい会社員が、短期トレンドを狙ったスキャルピングトレードをするのは無理があるだろう。

状況は人によって異なるので、絶対的な正解はない。

その為、自分が無理せず続けられるスタイルを模索しておこう。

原則3:主要なトレンドは3段階ある

チャートには、単なる価格の値動きのみならず、投資家の心理が鮮明に反映されている。

価格の値動きを観察する際は、「なぜそう動いたのか?」を考える事も重要だ。

 

ダウ理論によると、投資家の思惑によって、トレンドは大きく分けて3つの段階に分けられるようだ。

  1. 先行期
  2. 追随期
  3. 利食期

それでは実際に、BTC/USDチャートを見てみよう。

<先行期>

これまで価格が下落してきたものの、ネガティブニュースを価格が全て織り込み、これ以上下がりようがないと判断した一部の投資家が、徐々に買い仕込み始めるフェーズ。

しかし、これまで価格が下がり続けてきた事を考えれば、下落トレンドが継続する可能性もある為、先行期で買い仕込んだ投資家は、暴落を恐れてすぐに売り抜けてしまう。

これにより、先行期の上昇幅は比較的小さく、そしてすぐに下落に転じる傾向がある。

 

<追随期>

先行期のフェーズで、価格が上昇したのを確認した他の投資家達は、この付近が底となり上昇トレンドに転じる可能性に期待し、先行期に追随する形で買っていくフェーズ。

これにより、価格は上昇していき、乗り遅れたくないという思いが強い投資家が飛び乗る事で、さらに強い上昇トレンドが継続していく傾向がある。

 

<利食期>

先行期・追随期で買い仕込んだ投資家が、徐々に利確売りをするフェーズ。

まだ買い仕込んでいない投資家達が、「まだ価格は上がるはずだ」と焦って高値掴みしやすい段階でもある。

高値圏という事もあり、価格が高すぎて買いの需要が低下する一方、これまでに安く買い仕込んだ投資家による売り圧力が高まる為、その結果大きく下げやすい傾向である。

 

 

主要なトレンドは3段階ある」の解説はこれで以上だ。

この解説を聞いて、「先行期に買い仕込んで、利食い期に売り抜けれるようになりたい」と感じた人も多いだろう。

しかし、その考えは間違っているとだけ言っておこう。

 

もちろん、底値で買い、高値で売る事が一番の理想ではあるが、実際のところは凄く難しいからだ。

 

いざ底値で買おうとすると、まだ下落トレンド継続中で買った瞬間、大暴落するとか。

高値で売ろうとすると、売り抜ける前に、大暴落するとか。もしくは、売った瞬間に爆上げするとか。

 

相場において、底値と高値を正確に予測するのは、プロの投資家でも不可能である。

だからこそ、このダウ理論の正しい使い方としては、追随期で買い、利食い期手前で売り抜け、しっかりと利益を確保する事だ。

 

相場格言の一つに、「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉がある。

頭と尻尾はくれてやれ

これはまさに、判断や予測が難しい先行期と利食期は諦め、真ん中の追随期のみを狙ったほうが良いという教訓ではないだろうか?

原則4:トレンドは転換サインが出るまで継続

ダウ理論によると、トレンドが始まると、そのトレンドに対する反転サインが出現しない限りは、しばらく継続していくと説明されている。

 

ここで、トレンドについて詳しく解説しておこう。

トレンドとは、上昇や下落が一定期間続いていく相場の事を示す。

基本的に相場は、永遠に上がり続ける事も、下がり続ける事もなく、こまめに調整を挟みながら進んでいくものだ。


上昇トレンドとは、安値と高値を切り上げ続けている相場の事を指す。

下降トレンドとは、高値と安値を切り下げ続けている相場の事を指す。

 

順張りエントリーを主軸とした取引戦略は、トレンドに追随するスタイルを重視している為、上昇トレンドではどこで買うかのみを考え、下降トレンドではどこで売るかのみを考えていくことが重要だ。

 

この観点からも、現在の相場では、どちらの方向に目線を向けて取引をしてくのが優位性が高いのかを常に考える癖をつけるべきだ。

そして、トレンドの明確な反転サインが出現しない限りは、勝手にコロコロと目線を変えてはならない。右往左往するよりも、自分の目線を固定し取引を続ける事も大切な事である。

 

それでは、トレンドの明確な反転サインとは、具体的に何なのか?

それを理解するには、「安値と押し安値」「高値と戻り高値」の違いを知る必要がある。

 

安値とは、上昇に対して一旦の下落調整が入った際に、下げ止まった価格のポイントを指す。

押し安値とは、直近高値を明確に突破した起点となる安値を指す。

 

高値とは、下落に対して一旦の上昇反発が入った際に、上げどまった価格のポイントを指す。

戻り高値とは、直近安値を明確に突破した起点となる高値を指す。

 

少しイメージしずらいので、図を用いて解説する。


上昇トレンドの場合、安値よりも押し安値のほうが買い圧は高い。その根拠を解説しよう。

 

これまで強く上昇してきたものの、①高値を着けた後に下落してきて、①押し安値で買い支えられて、①高値を明確に突破した。

この事から分かるのは、①高値には、これまでの強い上昇を押さえつけるほどの強い売り圧が存在する。そして、①押し安値には、その①高値に存在する売り圧すらも押し返すほどのかなり強い買い圧がある為、①高値を明確に突破できた。

つまり①の押し安値付近には、かなり強い買い圧が存在している為、再度この付近まで下落してきた場合は、買い支えられる可能性が高い。

このような買い圧が強いラインの事を。サポートライン(支持線)と呼ぶ。

 

②安値については、①押し安値と比較した場合は、そこまで買い圧が強くはない。

これまで強く上昇してきたものの、②高値を着けた後に下落してきて、②安値で買い支えられているが、②高値を突破する事に失敗している。

この事から分かるのは、②高値には、これまでの強い上昇を押さえつけるほどの強い売り圧が存在する。そして、②安値にはそれなりに買い圧があるものの、②高値を超える事に失敗している為、①押し安値ほどの買い圧はないと考えられる。

 

まとめると、②安値よりも①押し安値のほうが買い圧は強く、仮に②安値を下抜けたとしても、①押し安値を下回らない限りは上昇目線を継続する戦略が有効である。

その為、②安値付近でサポートされればロング(買い注文)を出し、仮に②安値を下抜け、その後①押し安値でサポートされれば、この付近でロング(買い注文)を出すのが良いだろう。

実際に、①押し安値や②安値でサポートされそうかどうかは、プライスアクションに注目し判断していく事になる。

実体の小さなローソク足が連続で出現したり、下髭が長いローソク足が出ていれば、そこでサポートされ上昇反発する可能性が高いだろう。

上昇トレンド崩壊ポイントとしては、①押し安値(サポートライン)を明確に下抜けた場合であり、ひとまずは目線を切り替え、ここから下降トレンドに転換する可能性を視野に入れて相場動向を観察していこう。

その為、ロングの損切は、①押し安値(サポートライン)の少し下に設定しておくいいだろう。

 


下降トレンドの場合、高値よりも戻り高値のほうが売り圧は強い。その根拠を解説しよう。

これまで強く下落してきたものの、①安値を着けた後に上昇してきて、①戻り高値で上げ止まり、①安値を明確に下抜けた。

 

この事から分かるのは、①安値には、これまでの強い下落を押さえつけるほどの強い買い圧が存在する。そして、①戻り高値には、その①安値に存在する買い圧すらも押し返すほどのかなり強い売り圧がある為、①安値を明確に突破できた。

つまり①の戻り高値付近には、かなり強い売り圧が存在している為、再度この付近まで上昇してきた場合は、上げ止まる可能性が高い。

このような売り圧が強いラインの事を。レジスタンスライン(抵抗線)と呼ぶ。

 

②高値については、①戻り高値と比較した場合は、そこまで売り圧が強くはない。

これまで強く下落してきたものの、②安値を着けた後に上昇してきて、②高値で売り止まっているが、②安値を突破する事に失敗している。

この事から分かるのは、②安値には、これまでの強い下落を押さえつけるほどの強い買い圧が存在する。そして、②高値にはそれなりに売り圧があるものの、②安値を下抜ける事に失敗している為、①戻り高値ほどの売り圧はないと考えられる。

 

まとめると、②高値よりも①戻り高値のほうが売り圧は強く、仮に②高値を上抜けたとしても、①戻り高値を上回らない限りは下落目線を継続する戦略が有効である。

その為、②高値付近で反落すればショート(売り注文)を出し、仮に②高値を上抜け、その後①戻り高値で反落すれば、この付近でショート(売り注文)を出すのが良いだろう。

実際に、①戻り高値や②高値で反落しそうかどうかは、プライスアクションに注目し判断していく事になる。

実体の小さなローソク足が連続で出現したり、上髭が長いローソク足が出ていれば、そこで上値が重くなり反落する可能性が高いだろう。

下降トレンド崩壊ポイントとしては、①戻り高値(レジスタンスライン)を明確に上抜けた場合であり、ひとまずは目線を切り替え、ここから上昇トレンドに転換する可能性を視野に入れて相場動向を観察していこう。

その為、ショートの損切は、①戻り高値(レジスタンスライン)の少し上に設定しておくといいだろう。

 


ここまで、トレンドの定義について詳しく解説してきた。

トレンドの定義を理解することで、明確な根拠を持った取引が可能となる。

 

実際に取引する際は、ロールリバーサルの有無を確認するのもお勧めだ。

ロールリバーサルとは、レジサポ転換とも呼ばれるもので、下記の現象のことだ。

  • レジスタンスラインがサポートラインとして機能するように切り替わる
  • サポートラインがレジスタンスラインとして機能するように切り替わる

 

上昇トレンドにおいては、以前までレジスタンスラインとして機能していたポイントを強く上抜け、その後にこの付近まで下落してきた際は、サポートラインとして機能する事がよくある。

 

それは、おそらくレジスタンスライン付近で売っていた投資家も多く、彼らの予測とは反対に価格が上昇してしまっている為、再度レジスタンスライン付近まで戻ってきた場合は、一旦含み損を解消しておきたい思惑が働き、ショートの損切をする傾向がある。

その為、建値決済が多く入ることで、仮に大きく下落してきても、レジスタンスラインでサポートされやすいという訳だ。

 

この観点からも、ロールリバーサル確認後のエントリーは、勝率も高い傾向にあるし、実際に私もこの手法を取り入れて稼いでいるので、ぜひ参考にしてみてほしい。

原則5:トレンドは出来高でも確認される

ダウ理論では、出来高を伴わないトレンドは本物ではなく、騙しの可能性が高いと言う。

 

出来高(ボリューム)とは、投資家の売買数の大きさを示しており、下記の法則がある。

  • 出来高が大きければ、市場への関心度が高い事を示唆する
  • 出来高が小さければ、市場への関心度が低い事を示唆する

 

その為、値動きだけで判断するのではなく、出来高の大きさも判断材料に取り入れる事も重要である。

 

相場は基本的に、レンジ相場とトレンド相場が交互に出現する事で成り立つものだ。

レンジ相場とは、ある価格範囲内で上下に行ったり来たりを繰り返す方向感のない相場。

トレンド相場とは、ある一定方向に向かって進み続ける相場。

 

順張りエントリーを主軸とするなら、方向感が掴めないレンジ相場よりも、一定方向に向かうトレンド相場でのみ取引する事で、無駄なエントリーを減らし、リスクを軽減できる。

その為、レンジ相場ではエントリーを控え、レンジブレイク後のトレンド相場に突入した場合に、そのトレンドに乗っかる戦略が無難と言える。

 

しかし、実際にレンジブレイク後のトレンドに上手く乗っかるのは容易ではない。

レンジを突破した際に、それが本当のトレンド発生の起点となるのか、それとも騙しですぐにレンジ圏内に戻ってくるのかを見極めなければならないからだ。

そこで注目すべきなのが、レンジブレイク時の出来高である。

高値圏でレンジを形成し、レンジの上限・下限付近をよく見てほしい。

どちらも微妙に上髭・下髭で跳ね返されているものの、レンジを一時的に突破しているのが分かるだろう。

これはリアルタイムでチャートを見ていると、ここからレンジブレイクが起こり、トレンド相場に突入したと勘違いしてしまう事も十分にあり得る。

だが実際には、ヒゲを着けてすぐにレンジ圏内に戻ってきている為、迂闊にエントリーをしてしまうと、莫大な損失になりかねない。

 

しかし、そのレンジブレイクが、本物のトレンドに繋がるのかどうかは、出来高が大きいかどうかで判断できるケースがある。

 

上のチャートの例では、レンジ下限を下にブレイクした時の出来高が、その前後と比べて比較的大きいと言えるだろう。

このように、レンジブレイク直後の出来高の大きさでも、ある程度は本物かどうかを判別できると言われている。

ただし、必ずしも出来高が大きい必要はなく、出来高が小さいのにレンジブレイクし、トレンド相場に転換したケースは何度もあるので注意を。

 

あくまで、出来高は判断材料の一つに留めておくのが無難だろう。

 

そして、レンジ下限付近でサポートされていたラインを下抜けた後、再度ここまで上昇してきたら上値が重くなる、レジスタンスラインとして機能転換しているのも興味深い。

これは先ほど解説した、ロールリバーサルという現象だ。

原則6:平均は相互に確認される必要がある

様々な株価は単体で変動している訳ではなく、様々な外部環境から影響を受ける事で、絶えず変動を繰り返している。

だからこそ、将来の値動きを正確に予測するのは困難なのだが。

 

ダウ理論が提唱された19世紀のアメリカでは、工業生産が非常に活発的であった。

そこで、工業平均株価の将来価格を予測する上で、ある法則性を導き出した。

 

工業平均株価と鉄道平均株価のトレンドには、相関関係があるはずだと。

なぜなら、工業関係の景気が好調なら、工業製品を運ぶ鉄道関係の需要も伸び、景気が良くなるはずだからだ。

その為、工業平均株価を取引する際は、相関関係が高い鉄道平均株価もチェックしておく事が重要だ。

 

ビットコインは、デジタルゴールドや、ダウコインなどと呼ばれている。

一般的によく言われているのが、下記の法則である。

  • ビットコインとダウ平均株価は、相関関係である。
  • ビットコインとGoldは、逆相関関係である。

 

下記は、左からダウ平均株価、真ん中はビットコイン、右はGoldのチャートだ。

綺麗に一致しているとは言えないが、ダウ平均株価とビットコインは概ね上昇トレンドとして相関している。

その一方で、ビットコインとGoldは、逆相関となっているのがはっきりと見て分かる。

 

しかし、相場の状況や市場構造の変化によって、これらの相関関係も変化していくので、あくまで取引材料の一つとして参考にすると良いだろう。

 

お金は様々な市場を循環しているもの。一つのチャートだけに注目せず、複数のチャートを同時に分析し、相場全体の流れを理解しよう。

hiroの見解

今回は、ダウ理論の6原則について解説してきた。

かなり長い解説になってしまったが、どれも相場分析に役立つ理論なので、ぜひ理解しておいてほしい。

 

私自身、初心者の頃は感覚でエントリーし、後はひたすら祈り続けるという最低な取引スタイルであり、当然のごとく負けてばかりいた。

しかし、このダウ理論を学んだ事で相場分析の基礎が身に付き、根拠を持ったエントリーが出来るようになれたので、本当に素晴らしい理論だと思う。

 

さすが、19世紀から現在まで語り継がれているだけの事はある。(笑)

初心者の人も、相場分析の基礎を身に着ける為に、ダウ理論をしっかりと理解しておこう!

まとめ

  • 平均株価は全ての事象を織り込む
  • トレンドは3種類に分けられる
  • 主要なトレンドは3段階ある
  • トレンドは転換サインが出るまでは継続する
  • トレンドは出来高でも確認される
  • 平均は相互に確認される必要がある

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