資金管理の重要性

投資で継続的に利益を出すには、テクニカル分析を使いこなす事が重要だ。

 

だが、テクニカル分析よりも先に、資金管理について学んでおいたほうがいい。

なぜなら、どれだけ分析レベルが上達しても、一度の取引で資金のほとんどを失ってしまうようでは、遅かれ早かれ相場から退場する事になるからだ。

 

相場は不確実性が高いものであり、世界的なプロの投資家でさえ、コロナショックの影響で莫大な損失を抱える事態となった。


このように、一流の投資家であっても、損する時は必ず来るものなのだ。

だからこそ、想定外の大損失を避ける為に、資金管理は徹底するようにしよう。

この記事では、投資をする上で大前提となる、資金管理の方法について解説する。

資金管理ルールを作る

投資で稼ぐ為には、まず生き残る事を最優先に考えなければならない。

 

初心者にありがちなのが、「100万円稼ぐぞ!」とか、「どの銘柄が儲かるのか」など、稼ぐ事ばかりに目が行きやすい。

投資を始めた頃の私もそうだった。一時は、大きく稼ぐ事ができたし、分析精度も徐々に高まっているのを実感していた。

そうした自惚れが、のちに25万円の損失を一度の取引で出してしまうのだが・・・

 

調子に乗って大きな損失を出さないように、いついかなる時も、事前に決定しておいた投資ルールを守り通すことが重要である。

 

そのルールとは、以下の2つを推奨する。

  • 全資金の10%以下を運用する
  • 1度の取引の損失は、2%以下に抑える

     

これらの基本ルールは、機関投資家でも実際に採用されているようだ。

証拠金100万円でFX取引をする場合は、実際の取引に利用していいのは、10万円までだ。

そして、1度の取引で2万円以上の損失を出さないように、ロスカットを設定する事。

  

このように絶対的なルールを設けることにより、一発退場を防ぐことが可能となる。

それによって、たとえ連続で損失を出しても、その分だけ知識と経験を積み重ねることができるだろう。幾多の失敗を乗り越えて、トレーダーは成長していくものだ。

 

しかし、一発退場してしまっては何の経験も得られず、トレードを続ける意欲さえなくなるだろう。

だからこそ、取引する際はこの資金管理ルールを必ず守るようにしよう。

資金管理ルールを守る手順

せっかく資金管理ルールを作成しても、実際にそのルールを守る枠組みがなければ意味がない。

取引手順を明確にしておかないと、儲けたいという欲に駆られ、すぐに危険な取引をしてしまうからだ。

 

そこで、資金管理ルールを守った取引をする手順を解説しよう。

  1. 全資金の10%以下のみを、証拠金に割り当てる
  2. エントリーポイントを決定する
  3. ロスカットポイントを決定する
  4. 最大損失が2%以下になるよう、取引量を設定する

 

上記4つの手順を、例を挙げて見ていこう。

例1: 米ドル円 FX 元本100万円 米ドル価格 100円

まず最初に、「全資金の10%以下のみに設定する」というルールを守る為、証拠金に割り当てる金額を計算する。

元本 100万円 × 0.1 = 10万円

つまり、証拠金に割り当ててよい金額は、最大10万円という事になる。10万円を超えた金額を追加で割り当てるのは原則禁止。

このルールを守り通すのが、実は一番難しいかもしれない。しかし、一発退場を防ぐためには自分の欲望に打ち勝ち、冷静さを保つ必要があるのだ。

 

次に、「エントリーポイントを決定する

ここでは、100.00からロングエントリーすると仮定しよう。

エントリーする際は、必ず明確な根拠を持ったうえで決定すること。

そうする事で、エントリー根拠が崩れた場合は、ためらう事なく損切する事ができるだろう。

 

次に、「ロスカットポイントを決定する

今回は、100.00でロングエントリーをしているので、ロスカットの位置を99.50に設定したとしよう。

このロスカットの設定位置は、100.00でロングエントリーをした根拠が崩れるポイントでなければならない。

例えば、上昇トレンド崩壊ポイントの少し下、もしくはレンジ下限付近など。


エントリーポイントと、ロスカットポイントは必ず2つセットで考える癖をつけよう。

 

最後は、「損失が2%以下になるよう、取引量を設定する」のルールを守る為に、損失幅を把握し、適切な取引量を考えていく。

損失幅を計算すると、100.00 - 99.50 = 0.50 幅となる。

許容損失額は2%以下なので、100万円 × 0.02 = 20,000円 となる。

この0.50の損失幅で、損失額が20,000円以下に抑えられるように、取引量を調整する。

米ドル円取引なので、1pip = 0.01円

pipで表記した場合は、0.50円 = 50pip

 

次に、1万通貨(1ロット)で取引した場合の、損失金額を計算する。

50pip × 100円(現在レート) = 5000円 となる。

 

1度の取引における許容損失金額は20,000円なので、取引量を求める計算式は以下の通り。

許容損失金額 ÷ 1万通貨(1ロット)で取引した場合の損失金額


上記の計算式に当てはめて求めてみると、

20,000円 ÷ 5000円 = 4ロット

つまり、今回の米ドル円取引では、最大4ロットまで取引をしてもよい事が分かった。

 

ちなみに、この際レバレッジは実質的に何倍でも構わない。なぜなら、あらかじめ損切ラインを設定しているので、レバレッジ5倍でも10倍でも、設定した損切ラインで必ず損切されるからだ。

<例2>:元本$1000 ビットコインFX取引

まず最初に、「全資金の10%以下のみに設定する」というルールを守る為、証拠金に割り当てる金額を計算する。

元本 $1000 × 0.1 = $100

つまり、証拠金に割り当ててよい金額は、最大$100という事になる。$100を超えた金額を追加で割り当てるのは原則禁止。

 

次に、「エントリーポイントを決定する

ここでは、$20000からロングエントリーすると仮定しよう。

エントリーする際は、必ず明確な根拠を持ったうえで決定すること。

そうする事で、エントリー根拠が崩れた場合は、ためらう事なく損切する事ができるだろう。

 

次に、「ロスカットポイントを決定する

今回は、$20000でロングエントリーをしているので、ロスカットの位置を$19500に設定したとしよう。

このロスカットの設定位置は、$20000でロングエントリーをした根拠が崩れるポイントでなければならない。

例えば、上昇トレンド崩壊ポイントの少し下、もしくはレンジ下限付近など。


エントリーポイントと、ロスカットポイントは必ず2つセットで考える癖をつけよう。

 

最後は、「損失が2%以下になるよう、取引量を設定する」のルールを守る為に、エントリーポイントからロスカットの適切な設定を考えていく。

損失幅を計算すると、$20000 - $19500 = $500 幅となる。

許容損失額は2%以下なので、$1000 × 0.02 = $20 となる。

この$500の損失幅で、損失額が$20以下に抑えられるように、取引量を調整する。

ビットコインFX取引の場合、取引単位や証拠金が、「円・USD・USDT・BTC」など取引所によって異なる為、正確に金額を計算するのが難しい。

その為、各取引所に用意された損益計算機や電卓を有効活用しよう。

hiroの見解

今回は、投資をするにあたって大前提となる基礎知識、資金管理について解説した。

テクニカル分析や、ファンダメンタルズ分析を学ぶことも、もちろん大切な事だが、不確実性の高い相場で連勝し続けるのは不可能だ。

だからこそ無理のない範囲で、コツコツと利益を積み重ねていけるように、資金管理は徹底するようにしよう。

この資金管理ルールが守れなければ、遅かれ早かれ、あなたは相場から退場する事になるだろう。

あなたが投資を始めたばかりの頃なら、まずはこの資金管理ルールを守り通す自制心を身に着けよう。

まとめ

  • 投資の世界では、プロでも連勝するのは不可能
  • いかなる状況においても、資金管理ルールは守らなければならない
  • 証拠金は、全資金の10%以下に設定すること
  • 1度の取引の損失は、2%以下に抑えること

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