プライスアクション 前編

テクニカル分析手法の一つである、インジケーターを大量に使っていないだろうか?

 

いわゆる、SMAやRSI、ボリンジャーバンド、一目均衡表、MACDなどなど。

最初に結論を述べておくと、インジケーターを大量に駆使しても勝率は上がらない。

 

それは皆さんも、お気づきのことだろう。

なぜなら、SMAでは買いサインが出てるのに、MACDでは売りサインが出ているなんて事がよくあるからだ。

さらに、時間足を変えただけでも、各インジケーターが示すサインは全く異なるはずだ。

  

では、どうすればいいのか?

それは、チャート分析の基本中の基本、プライスアクションの正しい見方を覚えればいい。

ローソク足の値動きに注目するだけでも、今後の値動きの予測は十分に可能だ。

 

インジケーターが示す視覚的情報も全て、元の情報はプライスアクションを参考にして描画されているからだ。

 

だからこそ、我々は一時情報であるローソク足そのものに注意を向ければいいのだ。

この記事では、プライスアクションの単発パターンについて解説する。

ローソク足の基本的な見方

まずは、ローソク足の基本的な見方を覚えよう。

 

ローソク足は、四本値と呼ばれる4つのデータで成り立つ。

  • 始値:単位期間の開始価格
  • 高値:単位期間中の最高価格
  • 安値:単位期間中の最安価格
  • 終値:単位期間の終了価格

ローソク足は、実体(四角形の部分)と、ヒゲ(縦線)で構成される。

以下に、ローソク足の見本図を掲載したので、よく見てほしい。

上記の2つはどちらもローソク足だが、左側は陽線、右側は陰線という種類に分類される。

 

陽線は、開始価格よりも終了価格のほうが高い為、価格は上昇傾向にあることが分かる。

陰線は、開始価格よりも終了価格のほうが低い為、価格は下落傾向にあることが分かる。

 

陽線陰線について、もう少し詳しく解説しておこう。

陽線は、始値価格から取引が開始され、一旦は売りが多い影響で安値付近まで下落したものの、安値付近から注文が増加し一気に高値付近まで上昇する。

しかし、高値付近からは買い圧が弱まったことで、やや下落してきた結果、最終価格が終値付近で決定した。

 

陰線は、始値価格から取引が開始され、一旦は買いが多く入り高値付近まで上昇したものの、高値付近からは売り注文が増加し一気に安値付近まで下落した。

しかし、安値付近からは売り圧が弱まり、買い注文がやや入った結果、最終価格が終値付近で決定した。

 

ローソク足の単位時間は、1分足・15分足・1時間足・4時間足・日足・週足・月足などがある。

 

例えば、1時間足のローソク足では、1本のローソク足が1時間ごとの値動きが記録されていく。日足の場合は、1本のローソク足が1日ごとの値動きが反映されるのだ。

週足や月足などローソク足は長期的動向を分析する為に利用し、1分足や15分足は短期取引の分析に活用するのが一般的だ。

ローソク足の色は、各証券会社によって異なる場合がある

ローソク足の単発パターン

単発パターンでは、ローソク足の実体の大きさや、ヒゲの長さで相場の勢いの強弱を把握する。

レンジ圏内よりも、高値圏安値圏で出現したローソク足を、特に注意深く観察しよう。

 

基本的には、以下の2点を意識してローソク足を見てみよう。

  • 実体が大きいほど、トレンド継続サインとなりやすい
  • 実体が小さいほど、トレンド反転サインとなりやすい

投資において、安定的に利益を上げ続けるには、順張りトレードを心掛ける事だ。

 

順張りとは、相場の大局的なトレンド方向に合わせた取引をする事を意味する。

簡単に言うと、バブル的な上昇相場では、売り注文は出さずに買い注文のみを出すのだ。

大きな上昇トレンド時に、上がりすぎという勝手な憶測だけで売り注文を出すと、損失が拡大しやすいからだ。

これから紹介するローソク足単発パターンは、今後もトレンドが継続するのか、それとも反転する可能性があるのかを見極める為に活用するものである。

ハンマー

しばらく下降トレンドが続き、実体が小さく下髭が長い形状のローソク足が出現すると、一旦の上昇反発を示唆する。

逆ハンマー

しばらく下降トレンドが続き、実体が小さく上髭が長い形状のローソク足が出現すると、一旦の上昇反発を示唆する。

しかし、ハンマーと比較した場合、逆ハンマーの買い圧はそこまで高くない。

ハンマーでは、安値を着けに下落したものの下髭を着けて、すぐに上昇してきている。

逆ハンマーでは、高値を着けに上昇したものの上髭を着けて、すぐに叩き落されている。

この観点からも、逆ハンマーより、ハンマーのほうが買いサインとしての信頼度が高い。

シューティングスター

しばらく上昇トレンドが続き、実体が小さく上髭が長い形状のローソク足が出現すると、一旦の反落を示唆する。

ハンギングマン

しばらく上昇トレンドが続き、実体が小さく下髭が長い形状のローソク足が出現すると、一旦の反落を示唆する。

しかし、シューティングスターと比較した場合、ハンギングマンの売り圧はそこまで強くない。

シューティングスターでは、高値を着けに上昇したものの上髭を着けて、すぐに下落してきている。

ハンギングマンでは、安値を着けに下落したものの下髭を着けて、すぐに買い上げられている。

この観点からも、ハンギングマンより、シューティングスターのほうが売りサインとしての信頼度が高い。

スピニングトップ

上昇トレンド終盤や下降トレンド終盤で、実体が小さく上下に長いヒゲを着けたローソク足が出現した場合は、相場の勢いが弱まっており、反転サインを示唆している。

同時線

上昇トレンド終盤や下降トレンド終盤で、実体がほとんど無く上下に長いヒゲを着けたローソク足が出現した場合は、相場の勢いが弱まっており、反転サインを示唆している。

十字線は、スピニングトップよりも高確率で、相場の反転サインとなりやすい。

トウバ

上昇トレンド終盤で、実体がほとんど無く上髭が長いヒゲを着けたローソク足が出現した場合は、相場の勢いが弱まっており、下落サインを示唆している。

トンボ

上昇トレンド終盤で、実体がほとんど無く下髭が長いヒゲを着けたローソク足が出現した場合は、相場の勢いが弱まっており、下落サインを示唆している。

しかし、トウバと比較した場合、トンボの売り圧はそこまで強くない。

トウバでは、高値を着けに上昇したものの上髭を着けて、すぐに下落してきている。

トンボでは、安値を着けに下落したものの下髭を着けて、すぐに買い上げられている。

この観点からも、トンボより、トウバのほうが売りサインとしての信頼度が高い。

hiroの見解

今回は、ローソク足の単発パターンについて解説した。

ここで紹介したローソク足は、実際のチャートでもよく見るものばかりだ。

インジケーターの多くは遅行指標と言われ、ローソク足が確定してからチャートに反映されるので、反応が出遅れやすい欠点がある。

しかし、ローソク足の値動きそのものを正確に読み取れるようになれば、一時情報のみで即座に対応、予測できるようになる。

ローソク足の出現パターンは、他にも沢山あるので、しっかりと覚えていこう。

まとめ

  • インジケーターを大量に使っても、分析精度は上がらない
  • プライスアクションは一時情報であり、最も素早く対応できる
  • ローソク足の実体が大きいものは、トレンド継続サインとなりやすい
  • ローソク足の実体が小さいものは、トレンド反転サインとなりやすい
  • 高値圏と安値圏で出現する、ローソク足の実体とヒゲの長さに注目すべき

テクニカル分析の最新記事