プライスアクション 後編

プライスアクションの正しい見方を身に着ける事は、テクニカル分析を学んでいく上で大前提となる。

 

前回は、ローソク足の単発パターンについて解説した。まだ見ていない人は、先に前回の記事を読んでほしい。

プライスアクション 前編

今回は前回に引き続き、ローソク足の複合パターンについて解説していく。

ローソク足の複合パターン

ローソク足は、1本だけに注目するよりも、左右のローソク足の組み合わせを見たほうが、次の方向感を掴めやすい。

 

複合パターンの場合でも、単発パターン同様に、基本的には下記の傾向がみられやすい。

  • 実体の大きなローソク足は、トレンド継続サインとなりやすい
  • 実体の小さなローソク足は、トレンド反転サインとなりやすい

これらの2つを意識しながら、複合パターンについて見ていこう。

赤三平

上昇トレンド中に、上髭が短く実体の大きな陽線が3本出現すると、上昇継続サインとなりやすい。

 

実体が大きければ大きいほど、その後の上昇の勢いは強くなりやすい傾向である。

赤三平の赤とは、陽線ローソク足の色のことを指す。ただし、証券会社のチャートツールによっては、陽線が緑色に設定されている場合もある。

赤三平先詰まり

通常、赤三平では上昇継続サインとなりやすいが、実体が小さく上髭が長い陽線の場合は、下落サインを示唆する。

 

3本目の終値が、2本目の高値を超えられずに終了した場合は、より強い下落サインとなる。

三羽鴉

下降トレンド中に、下髭が短く実体の大きな陰線が3本連続で出現すると下落サイン。

 

実体が大きければ大きいほど、その後の下落の勢いは強くなる傾向になりやすい。

この三羽鴉が出現した場合は、強い下落が起きる可能性が非常に高いため、下手に上昇反発を期待して買い注文を出すのは危険なので注意を。

包み線(陰線→陽線)

下降トレンド終盤で、大陽線が出現し、その手前の陰線全体を包み込むような複合パターンが出現した場合は、一旦の上昇反発を示唆する。

 

この包み線は、長期時間足に切り替えて確認してみると、ハンマーとして表示される。

包み線(陽線→陰線)

上昇トレンド終盤付近で、大陰線が出現し、その手前の陽線全体を包み込むような複合パターンが出現した場合は、一旦の反落を示唆する。

この包み線は、長期時間足に切り替えてみると、シューティングスターとして表示される。

はらみ線(陰線→陽線)

下降トレンド終盤付近で、大陰線が右の陽線をはらんでいる複合パターンが出現すると、一旦の上昇反発を示唆する。

これは、大陰線で下落してきたものの、次の陽線でその半値近くまで戻してきているので、売り注文が出尽くて買い需要が高まり始めている可能性がある。

はらみ線(陽線→陰線)

上昇トレンド終盤付近で、大陽線が次の陰線をはらんでいる複合パターンが出現すると、一旦の反落を示唆する。

これは、買い需要が出尽くしており、利確売り注文が出始めている可能性がある。

毛抜き底

下降トレンド終盤付近で、2本のローソク足の安値が近い位置で終了している複合パターンが出現すると、一旦の上昇反発を示唆する。

2本のローソク足の実体が大きいほど、より強い上昇反発サインとなりやすい。

毛抜き天井

上昇トレンド終盤付近で、2本のローソク足の高値が近い位置で終了している複合パターンが出現すると、一旦の反落を示唆する。

 

2本のローソク足の実体が大きいほど、より強い反落サインとなりやすい。

3本ヒゲリバーサル(買いサイン)

下降トレンド終盤付近で、3本のローソク足の安値が近い位置で終了している複合パターンが出現すると、一旦の上昇反発を示唆する。

 

3本のローソク足の実体が大きいほど、より強い上昇反発サインとなりやすい。

3本目の安値が、2本目の安値より切り上がると、オレンジ色の上昇トレンドラインが今後意識されるだろう。

3本ヒゲリバーサル(売りサイン)

上昇トレンド終盤付近で、3本のローソク足の高値が近い位置で終了している複合パターンが出現すると、一旦の反落を示唆する。

 

3本のローソク足の実体が大きいほど、より強い反落サインとなりやすい。

3本目の高値が、2本目の高値より切り下がると、オレンジ色の下降トレンドラインが今後意識されるだろう。

上げ三法

上昇トレンド中に大陽線が出現した後、小さなローソク足をはらみ、高値を大陽線で強く上抜けした場合は、上昇継続を示唆する。

売られたポイント、このオレンジ色の高値を強く上抜けているので、売りよりも買い圧力が高まっている事が分かる。

下げ三法

下降トレンド中に大陰線が出現した後、小さなローソク足をはらみ、安値を大陰線で強く下抜けした場合は、下落継続を示唆する。

買われたポイント、このオレンジ色の安値を強く下抜けているので、買いよりも売り圧力が高まっている事が分かる。

明けの明星

下降トレンド終盤付近で、最初の大陰線の半値以上を戻している場合は、上昇反発サインを示唆する。

最後の陽線の実体が、大きければ大きいほど、より強い買いサインとなりやすい。

宵の明星

上昇トレンド終盤付近で、最初の大陽線の半値以上を戻している場合は、反落サインを示唆する。

最後の陰線の実体が、大きければ大きいほど、より強い売りサインとなりやすい。

2Bリバーサル(買い)

下降トレンド中に、安値更新したローソク足の終値や上髭を上抜けた場合は、反転サインを示唆する。

 

高値を上抜けたローソク足の実体が大きいほど、強い上昇反発サインとなりやすい。

2Bリバーサル(売り)

上昇トレンド中に、高値更新したローソク足の終値や下髭を下抜けた場合は、反転サインを示唆する。

 

安値を下抜けたローソク足の実体が大きいほど、強い反落サインとなりやすい。

Bulish Engulfing Pattern

下降トレンド終盤で、一本の大陽線が、その前にある複数のローソク足を包んでいるパターンが出現すると、かなり強い反転サインを示唆する。

これまで数時間をかけて、徐々に価格を下げてきた値幅分を、たった1本のローソク足で打ち消すほどの強い買い圧力がある事を示している。

Bearish Engulfing Pattern

上昇トレンド終盤で、一本の大陰線が、その前にある複数のローソク足を包んでいるパターンが出現すると、かなり強い反転サインを示唆する。

これまで数時間をかけて、徐々に価格を上げてきた値幅分を、たった1本のローソク足で打ち消すほどの強い売り圧力がある事を示している。

hiroの見解

今回は、ローソク足の複合パターンについて解説した。

相場の流れを予測する上で、これらのローソク足のパターンを理解しておく事は非常に大切だ。

 

そして、単発パターンよりも複合パターンのほうが、より分析精度は向上する傾向がある。

この記事で紹介した複合パターンは、実際にチャートを見て、すぐに識別できるようにパターンを暗記しておこう。

 

プライスアクションを極めれば、インジケーターに頼らない分析手法を身に着けることができるので、しっかりと理解し覚えておく事が大切だ。

私が投資を始めたばかりの頃は、大量のインジケーターをチャート画面に表示し、インジケーターが示す値を信じて取引していた。

もちろん、そんな単純すぎる方法で稼げる訳がない。

 

別に、インジケーターが悪い訳ではないが、一流の投資家はプライスアクションだけで取引している人は多いと聞く。

実際に私も、この分析手法を主軸に切り替えたことで、分析精度が高まったと実感している。

 

だから、無数に存在するインジケーターに手を出すよりも、まずはプライスアクションを極めるべきだろう。

まとめ

  • 単発パターンより、複合パターンのほうが分析精度は高まる
  • 複合パターンを、チャートから識別できるようになる事が大切
  • 相場の値動きを捉える上で、プライスアクションを極める事は非常に重要

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