今回は、調整4波の特徴について解説していく。
次に出現する推進5波の初動に乗り遅れないように、調整4波終盤付近を予測できるようになろう。
調整4波の特徴
調整4波目は、推進3波目の上昇幅に対して38.2%以下の反対方向に戻す動きが見られる。
3波で、これまで強い上昇相場が続いていた影響もあり、比較的浅い下落調整で済みやすい。
その為、調整2波ほどの深い調整を着けに来ることは少なく、軽い調整後は、すぐに推進5波に突入しやすい。
調整4波の見抜き方
推進3波と疑わしい上昇トレンドを見かけたら、その上昇の勢いが落ち反落し始めるまで様子見をする。
次に、推進3波の始点と終点に、フィボナッチ・リトレースメントを引く。
一般的には、Fib23.6%~38.2%付近を、調整4波の着地点の目安として意識する。
上図を見て分かる通り、Fib23.6%~38.2%付近でサポートされて、その後は上昇5波目で大きく上昇している。
その為、Fib23.6%~38.2%付近で、反転サインを示唆するローソク足が出現すれば、押し目ロングを検討するのもいいだろう。
4波目の内部波動を、短い時間足に切り替えてみると、3波動で構成されている。
この3波動構成の調整には、大きく分けて3種類の波形パターンが存在する。
- ジグザグ調整 (単純な値動き)
- フラット調整 (複雑な値動き)
- トライアングル調整 (複雑な値動き)
調整波では、オルタネーションという法則が働きやすい。
これは、調整2波目に単純な値動きが出現すると、調整4波目に複雑な値動きが出現する法則である。
逆に、調整4波目に複雑な値動きが出現すると、調整2波目に単純な値動きが出現する。
これから紹介する調整パターンを暗記しておくと、調整波がどの付近で終了するかをイメージ出来るようになり、勝率が高い取引が行えるようになる。
①:ジグザグ調整 (単純な値動き)
<特徴>
- 副次波は、5-3-5 で構成される
- 大きめの下落調整になりやすい為、調整2波で出現しやすい
- B波は、A波のFib61.8%付近まで戻しやすい
- C波は、A波と同じ長さになりやすい
- A波の始点とB波の終点を結んだラインを、B波の始点に貼り付けた延長上が、C波の着地点の目安となる
重要なポイントとしては、最初のA波の副次波が5波動で構成されている事。
A波の副次波が5波動構成なのは、ジグザグ調整の可能性が高く、B波終点付近から戻り売りや、現物の利確売りを検討すると言った使い方を推奨する。
②フラット調整 (複雑な値動き)
フラット調整には、大きく分けて3種類ある。
- レギュラーフラット調整
- 拡大フラット調整
- ランニングトライアングル調整
<①レギュラーフラット調整>
<特徴>
- 副次波は、3-3-5 で構成される
- 小さめの下落調整になりやすい為、調整4波で出現しやすい
- B波は、A波始点付近まで戻しやすい
- C波は、A波終点付近が着地点の目安となりやすい
- C波は、衝撃波となる
衝撃波とは、エリオット波動論の3原則を満たす波動のことである。
- 推進3波の長さが、推進波の中で最も短くなる事はない
- 調整2波が1波の始点を下回らない事
- 調整4波が1波の高値を割り込まない事
レギュラーフラット調整は、ジグザグ調整と比べると、あまり深い調整にはならない。
その為、調整4波目で出現しやすいので、推進5波動の初動を捉える為に活用しよう。
<②:拡大フラット調整>
<特徴>
- 副次波は、3-3-5 で構成される
- 調整2波・4波のどちらでも出現しやすい
- B波は、A波の1.236倍~1.382倍となりやすい
- C波は、A波の1.618倍となりやすい (稀に、2倍以上にもなる)
- C波は、衝撃波となる
拡大フラット調整は、他の調整波よりも頻繁に出現しやすいので、よく覚えておこう。
<③ランニングフラット調整>
<特徴>
- 副次波は、3-3-5 で構成される
- 小さめの下落調整になりやすい為、調整4波で出現しやすいが、出現頻度は低い
- B波は、A波の1.236倍~1.382倍になりやすい
- C波は、A波終点を超えられない
- C波は、衝撃波となる
ランニングフラット調整は、あまり相場に出現する頻度は少なく、拡大フラット調整のほうが出現しやすい。
そして、拡大フラットとランニングフラットは、A波からB波までのパターンが似ている。
その為、B波終点時点では、基本的に拡大フラット調整をイメージしておき、もしC波がA波終点を超える前に、上昇反発するようならランニングフラット調整のシナリオに切り替える戦略で問題ないだろう。
③トライアングル調整 (複雑な値動き)
トライアングル修正には、大きく分けて以下の2種類がある。
- 収束型トライアングル:対称収束型、上昇型、下降型
- 拡大型トライアングル:拡大型、ランニング
基本的に、拡大型トライアングルの出現頻度は低いので、①の収束型だけを覚えていれば問題ないだろう。
トライアングル修正は値動きが複雑であり、教科書通りに動いてくれない為、あまり手を出さないほうが良いと思われる。
何度も言うが、自信のない箇所で無理にエントリーする必要など全くない。
トライアングル修正が完了し、再度上昇・下降トレンドが始まった、分かりやすいポイントに絞って取引するようにしよう。
<対称収束型>
<特徴>
- 副次波は、3-3-3-3-3 で構成される
- カウントは数字ではなく、アルファベットの「A B C D E」と呼称する
- 隣同士の波動の長さは、Fib61.8%付近が意識されやすい
基本的には、調整4波目に出現しやすく、このパターンが出現すると推進5波目に突入するケースが多い。
しかし、E波着地点から押し目でエントリーするのは意外と難しい。
その為、トライアングルを大きく抜けた後に、ロールリバーサルを確認できたら、抜けた方向に追随する形で取引しよう。
<上昇型(アセンディングトライアングル)>
<特徴>
- 副次波は、3-3-3-3-3 で構成される
- カウントは数字ではなく、アルファベットの「A B C D E」と呼称する
- 基本的に、これまでのトレンド方向に突き抜けやすい
このパターンは、アセンディングトライアングルと呼ばれる有名なものだ。
上か下か、どちらに抜けるかを予測するのは非常に難しい。
しかし、これまでのトレンドを継続する傾向があるので、上昇トレンド時なら上にブレイク、下降トレンドなら下にブレイクするのが一般的だ。
<下降型(ディセンディングトライアングル)>
<特徴>
- 副次波は、3-3-3-3-3 で構成される
- カウントは数字ではなく、アルファベットの「A B C D E」と呼称する
- 基本的に、これまでのトレンド方向に突き抜けやすい
このパターンは、ディセンディングトライアングルと呼ばれる有名なものだ。
上か下か、どちらに抜けるかを予測するのは非常に難しい。
しかし、これまでのトレンドを継続する傾向があるので、上昇トレンド時なら上にブレイク、下降トレンドなら下にブレイクするのが一般的だ。
<拡大型トライアングル>
<特徴>
- 副次波は、3-3-3-3-3 で構成される
- カウントは数字ではなく、アルファベットの「A B C D E」と呼称する
- 基本的に、これまでのトレンド方向に突き抜けやすい
- 隣同士の波動の長さが、1.618倍になりやすい
- 値動きが、教科書通りに動きにくい
拡大トライアングル修正は、一つ手前の波動の1.618倍の長さになりやすい傾向である。
しかし、毎回1.618倍に拡大するとは限らず、1.2倍や2倍以上になる事もよくある。
その為、数ある修正パターンの中でも、拡大型トライアングル修正は最も値動きが予測しにくいと言える。
<ランニングトライアングル>
<特徴>
- 副次波は、3-3-3-3-3 で構成される
- カウントは数字ではなく、アルファベットの「A B C D E」と呼称する
- 基本的に、これまでのトレンド方向に突き抜けやすい
- B波が、A波の始点を超えてくる
ランニングトライアングル修正は、B波がA波の始点を超えてくる特徴がある。
この時点では、副次波 3-3-5の(拡大フラット修正やランニングフラット修正)と同じなので、区別がつかいない。
その為、3つ目の波動の副次波が、5波動構成ならフラット修正、3波動構成ならランニングフラット修正と見極めていこう。
hiroの見解
今回は、調整4波目の特徴と、見抜き方について解説してきた。
推進3波の大きな流れに乗り遅れてしまった場合は、この記事で紹介した調整4波の見抜き方を活用し、次の推進5波の初動からついていけるように練習していこう。
まとめ
- 調整4波目は、推進3波目の23.6%~38.2%ほど反対方向に戻す傾向がある
- 4波目の内部波動は、3波動で構成されている
- 調整パターンには、ジグザグ調整・フラット調整・トライアングル調整がある
- オルタネーションの法則が見られやすい