エリオット波動論 推進5波

今回は、最後の推進波動である5波目の特徴を解説していく。

これまで続いた上昇トレンドも、一旦は頭打ちになるフェーズである。


その為、現物買い・ロングポジションの利益確定売りを検討し始めるポイントとなるので、しっかりと学習しておこう。

 

どんなに大きな含み益であっても、利益確定をしない限り、それはただの幻に過ぎない。

あらかじめ、どこで買い、どこで利確売りをするのかを決定しておく必要がある。

推進5波の特徴

エリオット波動論の理論上、推進5波目でトレンドが一旦終了し、下落調整ABC波動に移行する。

その為、推進5波目では無理に買い注文を出すのは控えるべきで、利益確定売りを検討するべきフェーズである。

 


5波目の内部波動を、短い時間足に切り替えてみると、5波動で構成されている。

その5波動構成は、ダイアゴナルトライアングルと呼ばれるパターンを形成しやすい。

 

ダイアゴナルトライアングルとは、2つの条件を満たしたチャートパターンである。

  1. 1波と4波が重複している
  2. 上側と下側を引いたラインが収束している



そして、このダイアゴナルトライアングルは、2種類ある。

  1. リーディング・ダイアゴナル:継続サイン、1波とA波に出現しやすい
  2. エンディング・ダイアゴナル:反転サイン、5波とC波に出現しやすい



この2つの見分け方は、波動の副次波をカウントすると判別できる。

 

リーディング・ダイアゴナルの副次波は、「 5 – 3 – 5 – 3 – 5 」で構成される。

エンディング・ダイアゴナルの副次波は、「 3 – 3 – 3 – 3 – 3 」で構成される。

 

5波に出現しやすい、エンディング・ダイアゴナルのイメージが、下記の図だ。

このようなパターンが高値圏で出現した場合は、それが5波目終盤となり、トレンド転換を示唆する。

 

高値圏での上昇波動が、推進5波である可能性が高い条件をまとめると、

  • 直近の戻り高値 (3波の高値) を明確に突破していること
  • 上昇反発した波動の、内部波動が5波動構成であること
  • 5波動構成の形が、リーディング・ダイアゴナルのパターンであること



これら3つの条件を全て満たした上昇波動が高値圏で出現した場合、それは推進5波である可能性が高いので注意をしよう。

 

フェイラー(トランケーション)

エリオット波動論としては、一般的に5波が3波の高値を超えてくるものだ。

しかし、推進3波目であまりにも大きく上昇しすぎた場合、5波目が3波目の高値を超えられずに終了するケースがある。

この現象のことを、フェイラー(トランケーション)と呼ぶ。

 

具体的には、推進3波目の上昇幅が、推進1波の3倍~4倍近くまで爆上げした場合に起こりやすい。

上図を見て分かる通り、このようなバブル相場では3波目が、1波の4倍以上の上昇幅になる事が多い。

これほどの強い上昇が3波目で起こってしまうと、上昇するパワーを使い果たしてしまい、5波目の上昇で3波の高値を超えられずに終わるケースがあるのだ。


その為、5波目が3波の高値を必ずしも超えてくる訳ではないと覚えておこう。

hiroの見解

今回は、推進5波の特徴について解説してきた。

 

何度も言うが、苦手なポイントや優位性の低い場所で、取引する必要などない。

5波目が終了すれば、次はABC調整で大きく下落するリスクがある。

その為、5波目の上昇幅を狙って、ロングや買い注文をするのは控えるべきだろう。

 

これまで学んだ、エリオット波動論の基礎的知識を知っておくだけでも、現在の相場がどの段階にいるのかを大まかに把握でき、無駄なエントリー(取引)を控える事ができるはずだ。

まとめ

  • 5波目の内部波動は5波で構成されている
  • 5波目は、エンディング・ダイアゴナルが出現しやすい
  • 3波が伸びすぎると、5波目でフェイラーになる可能性が高い
  • 5波目が終了すると下落調整に入るので、買い注文は極力控えるのが無難

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